【IT部門が教える】今さら聞けない基幹系システム徹底解説と主な製品

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この記事にたどりついた方は、基幹系システムについて詳しく知りたい方や基幹系システムを活用したい方ではないでしょうか。「基幹系」という言葉が難しい印象を与えますが、「基幹系システム」とは企業の様々な業務を助けるシステムのことです。

現代では、ほとんどの企業がシステムを活用して業務を行っていますが、効果的に活用できている企業は多くありません。システムをより活用するにはシステム自体の理解度をまず上げる必要があります。

この記事では、企業のシステム部門に勤めたSEが、初心者でも分かるよう基幹系システムの全体像を詳しく解説します。この記事を読むことで、基幹系システムの基礎知識を身につけることができます。

1.基幹系システムとは

 

基幹系システムとは企業の様々な主要業務を支える重要なシステムのことです。
企業がビジネスを行う上で必須となる重要な業務を支えるシステムのため、「基幹」という名がついています。別名「バックオフィス系」「業務系システム」などとも呼ばれています。

「発注」や「仕入」「会計」などの重要な業務を支えているシステムのため、システム障害が発生すると「発注できない」「支払できない」などの事態になり大きな支障が出ます。
そのため、「止まってはいけないシステム」です。

また、「基幹系」という名のとおり、1つのシステムを指すのではなく、主に以下のシステムを総称して基幹系システムと呼ばれています。

  • 生産管理システム
  • 販売管理システム
  • 購買管理システム
  • 在庫管理システム
  • 会計システム
  • 人事給与システム

〈基幹系システム概要図〉

基幹システム概要図

「購買管理システム」「販売管理システム」「在庫管理システム」は1つのシステムとしてセットになっている事がほとんどですが、他のシステムは別々のシステムとして独立しているケースが多くなります。

また、近年良く耳にするERPも基幹系システムの1種です。それぞれが独立したシステムではなく、上図のように1つのシステムに統合されていることから、日本では「統合基幹業務システム」と呼ばれています。

2.基幹系システムを導入する3つのメリット

ここでは基幹系システムを導入する効果について解説します。
この章を読むとなぜ基幹系システムが業務に必要なのか理解することができます。

2.1.業務の効率化

基幹系システムを活用することにより様々な業務を大幅に効率化させることができます。企業規模が大きくなってくると仕入業務や会計業務など人力だけでは処理しきれない業務が多く出てきます。これらの業務を限られた人数でも完遂できるよう効率化して支えています。

2.2.業務の標準化

基幹系システムを活用することにより、業務の順番やデータ入力など属人化して品質がばらばらになってしまいがちな業務を標準化することができます。誰が行っても品質に大きな差が出ないようになります。

2.3.経営情報の可視化・スピードアップ

基幹系システムを活用することにより、経営層がリアルタイムに全社の売上や債務状況を見たり、マネージャ層や現場が瞬時に在庫状況を把握したりなど経営に必要な情報を可視化することができます。

3.主な基幹系システムの概要

ここでは主な基幹系システムについて解説します。前述しましたが、基幹系システムとは数種類のシステムの総称です。この章を読むことで、それぞれのシステムの概要を理解する事ができます。

3.1.生産管理システム

生産管理システムとは主に製造業で使われるもので、その名の通り「生産」を支えるシステムです。製造現場で特に重要となるのは「納期」と「品質」です。納期を守るために適切な生産計画を立て、品質を担保するために定められた工程通りに、正確に業務を進めなければなりません。これは誰もができることではありません。そのため、システムの力で支えているのです。

〈生産管理システムの主な機能〉

  • 生産計画:受注状況や販売計画、生産能力に応じて適切な生産計画を建てる機能
  • 工程管理:生産ラインの実績を管理する機能。予実差や問題も管理します。
  • 品質管理:品質情報や品質検査情報を管理する機能
  • 部品管理:製造に必要な部品情報や部品の仕入、在庫を管理する機能
  • 原価管理:製造原価を管理する機能

3.2.販売管理システム

販売管理システムとは、主に「受発注」「仕入」「在庫管理」「出荷」「支払」などの業務を支えるシステムです。業界を超えて様々な企業で使われています。販売管理システムを活用することで、在庫数に応じて発注を自動化したり、仕入時に会計システムに自動仕訳したり、様々な業務を効率化することができます。

「販売管理」という名前ですが受注や売上を管理するだけでなく、購買に関する機能や在庫に関する機能など幅広く機能を持っている製品がほとんどです。

〈販売管理システムの主な機能〉

  • 購買管理:見積、発注、仕入、支払(債務)という購買業務を管理する機能
  • 販売管理:受注、出荷指示、売上(債権)という販売業務を管理する機能
  • 在庫管理:棚卸、在庫調整、在庫検索など在庫管理を行う機能

3.3.会計システム

その名のとおり会計部門や経理部門の業務を支えるシステムです。会計部門の業務は多岐にわたり、稼動が高い部署の1つでもあります。規模の大きい会社はとても人力だけでは帳簿作成も困難です。そのため会計システムを使って業務を効率化します。

また、決算や税務など法律で定められている事を適切に処理しなければなりません。誤って処理をして監査の際に「虚偽」と判断されると法律で罰せられる事もあります。法律に則って適切に処理をするための仕組みでもあります。

〈会計システムの主な機能〉

  • 財務会計機能:総勘定元帳の管理や債権・債務管理など財務会計を行うための機能
  • 管理会計機能:間接費の管理や収益分析など主に経営層が企業の業績を確認するための機能

3.4.人事システム

企業の人事情報や組織情報、社員の給与計算・給与管理を行うためのもので、人事部の業務を支えるシステムです。人事部の主な業務は、人事情報を適切に管理し経営方針に沿って人材の計画的な配置や移動、能力開発を行うことです。

社員が数人程度の企業では不要ですが、社員が数十人規模になってくるとアナログでの管理が難しくなってきます。そのため人事システムを活用して業務を効率化します。

〈人事システムの主な機能〉

  • 社員情報:社員の基本情報を管理するための機能
  • 社員履歴:社員の所属部署や身分、役職や評価履歴などを管理する機能
  • 組織情報:企業の組織情報を管理するための機能
  • 組織履歴:企業の組織改変履歴を管理するための機能
  • 勤怠管理:社員の勤務実績を管理する機能
  • 給与計算:社員の労働実績をもとに給与計算する機能
  • 給与履歴:社員の給与履歴を管理する機能

上記機能が全てセットになった製品もありますが、「人事システム」「勤怠管理システム」「給与計算システム」という形で別々のシステムに独立しているものも多くあります。

この章では、主な基幹系システムの概要について解説しました。様々なシステムによって業務が支えられていることが理解できたのではないでしょうか。

もし既にシステム導入していても効率化が不十分と感じている業務があるのであれば、使っている製品が業務規模とマッチしていないのかもしれません。その場合はシステムの刷新やカスタマイズを検討してみると良いでしょう。

4.情報系システムとの違い

情報系システムは、基幹系システムと並んで企業活動を支える重要なシステムです。あわせて学ぶことで、より業務を支えるシステムの理解を深めることができます。企業活動を支えるシステムは大きく以下の2つに分類することができます。

  • 基幹系システム
  • 情報系システム

情報系システムとは、メールやスケジュール管理、Excelなどのオフィスソフト、BIと呼ばれる社内の様々なデータを集計しレポーティングするシステムなどを指します。
これらは主にコミュニケーションや営業支援、タスク管理などを支援するシステムであり、止ってしまっても業務はどうにかなります。

例えばメールが止まっても、電話など他にもコミュニケーション手段はあるため、取引先との連絡がまったくできなくなるわけではありません。そのため基幹系システムに比べて重要度は下がります。

5.主な基幹系システム製品

ここでは基幹系システムごとに著名な製品を解説します。
製品選定を検討する際の参考にして下さい。

5.1.生産管理システムの主な製品4選

1.WorkGear

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中小零細製造業向けに特化して各種業務システムを開発・提供しているモリックス株式会社が提供する中小企業向けの生産管理システムです。低価格ながら見積から受注、発注、売上、仕入、請求、売掛、買掛まで全ての製造工程をカバーする機能を持っています。中小零細製造業に特化した会社で、中小企業におすすめの製品です。

2.ATOMS QUBE

atmos-qube

中堅SI企業のクオリカ株式会社が提供する中小企業向けの生産管理システムです。こちらも製造業の全工程をカバーする機能をもったしっかりした製品で中小企業におすすめです。オンプレミス型、クラウド型で製品を提供しているため自社向けにカスタマイズしたい企業、費用を抑えてシステム導入したい企業どちらにも対応できます。

3.GLOVIA SMART PRONES

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富士通が提供する中小~中堅企業向けの生産管理システムです。富士通が提供している製品のため、機能も豊富でかなりの安心感があります。また、「個別生産」と「量産」という異なる生産方式両方に対応できるよう設計されていることが特徴です。中小企業から数百人規模の企業まで耐えられるつくりになっています。今は中小企業でも、今後企業をどんどん大きくしていきたい企業におすすめの製品です。

4.Future Stage

futurestage

日立システムズが提供する生産管理システムで、中小企業向けのクラウドタイプと中堅から大企業向けのオンプレミス型の2タイプを提供しています。こちらもしっかりした製品ですのでどの規模の企業にもおすすめの製品です。

〈主な生産管理システム比較表〉

製品名

製品タイプ

向いている企業

費用

WorkGear

オンプレミス

中小企業

初期費用
2,000,000円~

ATOMS QUBE

クラウド
オンプレミス

中小企業

非公開

GLOVIA SMART PRONES

オンプレミス

中小企業
中堅企業

初期費用
1,500,000円~

Future Stage

クラウド
オンプレミス

中小企業(クラウド型)
中堅企業(オンプレ型)
大企業(オンプレ型)

初期費用
・クラウド型
25,000円~/ID/月
・オンプレミス型
20,000,000円~

 

5.2.販売管理システムの主な製品4選

1.GLOVIA smart きらら 販売

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富士通が提供する中小企業向けの製品です。オンプレミス型のため、企業の要件に合せてカスタマイズが可能です。また、系列商品で会計システムもあるため会計システムも同時に入れたい企業に良いでしょう。自社の要件に合せてカスタマイズし、かつ会計システムも導入したい企業におすすめの製品です。

2.N-Town

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NECが提供する中小企業~中堅企業向けのクラウド型の製品です。NECも古くから販売管理システムを提供しており、とても信頼性の高い製品です。売上高5億円程度~数十億円規模の会社まで耐えられる製品です。また、いち早くクラウド型でかつID単位で課金するモデルを取り入れているためかなりコストメリットが大きい製品です。コストを抑えて導入したい企業におすすめです。

3.OBIC7販売情報システム

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古くから基幹系システムを提供しているオービックが提供する販売管理システムです。業界にこだわらない汎用的な作りになっています。一般的な販売管理システムの機能は豊富に持っていますが、逆に飲食やアパレルなど業界に特化した作りにはなっていません。カスタマイズ可能ですがその分費用が増えるため一般的な商社などにおすすめの製品です。

4.Dynamics AX

microsoft-erp

Microsoftが提供している製品で、全世界で使われており非常に有名な製品です。様々な業界の大企業への導入実績があります。多くの業界への導入実績がありますが基本的には汎用的に作られているためカスタマイズが必要です。売上高1,000億円を超える企業で、かつ様々なカスタマイズを行いたい企業におすすめです。

〈主な販売管理システム製品比較表〉

製品名

製品タイプ

向いている企業

費用

GLOVIA smart
きらら 販売

オンプレミス

中小企業

初期費用
1,500,000円~

N-Town

クラウド

中小企業
中堅企業

10,000円/ID/月

OBIC7販売情報システム

オンプレミス
クラウド

中小企業
中堅企業

非公開

Dynamics AX

オンプレミス

大企業

非公開

 

5.3.会計システムの主な製品4選

1.MFクラウド会計

MFクラウド会計

近年注目を集めているクラウド型会計システムの代表的な製品です。まだ新しいサービスですが多くの企業に採用されています。機能的には個店や小企業向けになります。月額費用が1,980円~と安いため初めて会計システムを使ってみたい個店および小企業におすすめの製品です。

2.弥生会計プロフェッショナル

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「弥生会計」で有名な弥生が提供している中小企業向けの製品です。中小企業への導入数ではトップクラスのシェアを誇ります。100名未満の中小企業はまず見てみて間違いないでしょう。

3.OBIC7会計情報システム

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中小企業でも売上高が10億円を超える企業から100億円程度の中堅企業向けの製品です。財務会計や管理会計機能に加えて固定資産管理や経費精算用のワークフローと幅広く機能を持っています。売上高10億円~100億円程度の規模の企業におすすめの製品です。

4.SuperStream

superstream

中堅企業から大企業向けの製品では導入数No.1の製品ではないでしょうか。非常に多くの企業で採用されており、豊富な機能を持っています。売上高数百億規模以上の会社は選定の際に見ておいて間違いはないです。中堅から大企業におすすめの製品です。

〈会計システムの主な製品比較表〉

製品名

製品タイプ

向いている企業

費用

MFクラウド会計

クラウド

個店

小企業

1,980円~/月

弥生会計
プロフェッショナル

オンプレミス

中小企業

初期費用
75,600円~

OBIC7会計情報システム

オンプレミス

中小企業
中堅企業

初期費用
5,000,000円~

SuperStream

オンプレミス

中堅企業
大企業

初期費用
非公開

 

5.4.人事システムの主な製品4選

1.カオナビ

カオナビ

クラウド型の人事システムで近年注目を集めている製品です。様々なタイプ別に社員の顔写真が一覧で並ぶという新しい特徴を持っています。従来の人事システムと異なり「人材の発掘」や「育成」に重きをおいており、「タレントマネジメントシステム」寄りの製品です。

また、人事部だけでなく各部門のマネージャや店長などがチームの管理にも使えるようになっています。店舗ビジネスをやっている中小~中堅企業におすすめの製品です。ただし、給与計算機能はありません。カスタマイズも不可です。

2.Profile Manager

サイダス

こちらもカオナビと並んで近年注目を集めているクラウド型の人事システムです。カオナビと異なり、従来の人事システムの機能を多くもっており人事情報や人事履歴の管理、組織情報や組織改変履歴の管理などをしっかり持っています。レポートや分析機能が強いことも特徴となっています。

また、洗練されたビジュアルで従来の人事システムと一線を画しています。費用を抑えて人事システムを導入したい中小~中堅企業におすすめの製品です。ただし、こちらも給与計算機能はなく、カスタマイズも不可です。

3.Time Pro-XG

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古くから勤怠管理や人事、給与管理システムを専門的に提供してきたアマノ株式会社が提供している製品でトップクラスの知名度を誇ります。店舗および本部の勤怠・シフト管理機能、人事管理機能、給与計算・管理機能と人事系の機能を全てもっています。また要件に合せてカスタマイズも可能です。総合的に使いたい企業におすすめの製品です。

4.OBIC7人事給与システム

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こちらもTime Pro-XGに並んでトップクラスの知名度を誇る製品で、勤怠・シフト管理機能、人事管理機能、給与計算・管理機能と人事系の機能を全てもっています。要件に合せてカスタマイズも可能です。総合的に使いたい企業におすすめの製品です。Time Pro-XGと一緒に見てみると良いでしょう。

〈人事システムの主な製品比較表〉

製品名

製品タイプ

向いている企業

費用

カオナビ

クラウド

中小企業
中堅企業

49,800円~/月

Profile Manager

クラウド

中小企業
中堅企業

35,000円~月

Time Pro-XG

オンプレミス

中小企業
中堅企業
大企業

初期費用
3,500,000円~

OBIC7人事給与システム

オンプレミス

中小企業
中堅企業
大企業

初期費用
5,000,000円~

 

6.まとめ

この記事では、基幹系システムの概要を詳しく解説してきました。基幹系システムについてだいぶ理解が進んだのではないでしょうか。販売管理システムなどそれぞれのシステムの機能などは別記事でより詳しく解説します。次はそれぞれの解説記事を読んでより理解を深めて下さい。

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