【店舗ビジネス必読】決済方法のトレンド!スマホ決済とは

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近年、スマホ決済やモバイル決済と呼ばれる決済方法が世界中で普及しています。
この記事をご覧の皆様は、スマホ決済に関する初歩的な知識をつけたい人や個人店経営者や複数店舗展開をしている企業の担当者が多いかもしれません。

この記事では「スマホ決済」と呼ばれる決済手段の特徴や機能、サービスについての概要を詳しく解説致します。新規導入や既存のCAT端末からのリプレイスなど、導入を検討する際の参考にして下さい。

1.スマホ決済とは

スマホ決済とは、現代において日常生活に必要不可欠となったスマートフォンやタブレット端末をクレジットカード決済の端末にしてしまおう というサービスのことを指します。店舗などにある旧来のレジスターとセットで設置されているCAT端末(Credit Authorization Terminal)などの競合となるサービスです。

このサービスは、アメリカで移動販売のコーヒースタンドやフリーマーケットなどで気軽にクレジット払いができるようにと考えられたサービスです。主に以下の特徴があります。

  • 比較的誰でも気軽に利用出来る(審査を通過する)可能性が高い
  • 利用料率が最初からコミットされている
  • 利用開始までの期間が短い
  • 信用情報は随時確認される
  • 料金体系がシンプルで決済金額に対して3.24%〜3.25%の手数料のみ

1.1.スマホ決済導入の5つのメリット

メリット1:導入費用がとにかく低い

まず、スマホ決済の導入に際してアカウント取得に料金はかかりません。また、決済用に利用するスマートフォンやタブレットを持っていれば、カードリーダー(無料〜数千円程度)を手配するだけです。このカードリーダーも初回登録のキャンペーンなどでキャッシュバックなどがある事業者が多く、実質無料となるケースが多いです。

メリット2:決済手数料が低い

カード決済を利用する際に発生する決済手数料の料率も旧来のクレジット決済事業者(5%〜7%など)に比べて3.24%~と低く設定されています。

メリット3:キャッシュフローの改善が期待できる

旧来の一般的なクレジット決済事業者では、月に2回入金(例:15日、30日)というのが当たり前でした。その為、入金までの時間差が生じてしまい、当月の売り上げが翌月に回ってしまうなどの問題がありました。

その点で、スマホ決済では指定銀行口座など条件を満たした場合、最短では翌日入金というスピード感があります。これにより当月の売り上げが翌月に持ち越されてしまうようなことは無く、入金のタイミングに悩まされることも無くなります。
事業者によって入金タイミング(翌日〜月6回など)は違いますが、月に2回入金ということは無く、スマホ決済であればどの提供会社を選んでも確実に入金のスパンは短くなるでしょう。

メリット4:客単価の向上が狙える(新規設置の場合)

これはスマホ決済だけでなくクレジット決済全般に言えることですが、単価の高い商品が売れる可能性が高まるでしょう。手元に現金がそれほどなくとも、クレジットカードがあることで、単価の高い商品でも購入して頂ける可能性が高まります。

メリット5:店舗の販売戦略、計画に幅が出る(新規設置の場合)

スマホ決済を導入することで販売戦略や計画に色々なバリエーションが出てきます。メリット3と類似した例になってしまいますが、単価の高い商品を販売しやすくなることで、これまでラインアップに入れてこなかった高額な商品を追加したり、既存商品の1ランク上のラインアップの販売を開始するなど店舗の戦略や計画にも良い変化が与えられるでしょう。洋品店であれば、ハイブランド品を置いたり、飲食店であれば、プレミアムなワインやウィスキーなどをメニューに加えやすくなります。

1.2.旧来のクレジット決済との違い

違いその1:申し込みプロセスの違い

旧来のクレジット決済申し込みプロセスでは、カード会社による審査が非常に重要で、審査期間も長く結果により利用料率(手数料)が変わってくることもあります。
私の経験上、新規創業の脱サラや独立の事業者に対しては5%〜7%くらいの料率を提示してくることが多いです。

一方、スマホ決済のプロセスは最初から利用料率(手数料)が定められており、より多くの人や事業者に低コストでクレジット決済を導入できるようになっています。
審査期間が短く比較的早く利用を始めることができますが、その代わりにクレジット決済の運用が始まってからも随時信用情報を監視されており、問題があればすぐ利用停止となることもあります。

違いその2:コスト

コスト面の違いについては、スマホ決済が非常にシンプルな料金体系となっているのに対して、旧来のクレジット決済は、中小企業から大企業までを幅広くカバーするような契約体系となっています。
スマホ決済への理解を深めるために、旧来のクレジット決済の代表的なコストのパターンをいくつかご紹介しておきます。

  • Aパターン:手数料率のみ請求
    スマホ決済と同じ仕組みです。1回の決済に対して料率分を手数料として徴収します。
  • Bパターン:基本料金を設定し、手数料率の月合計と比較して安い方を適用
    月に発生する手数料の徴収の合計が基本料金を超えたときに基本料金分のみを支払います。
    ただし、基本料金は1回もクレジット決済が発生しなくても徴収されます。
  • Cパターン:基本料金と決済回数に応じた課金
    月に発生する決済回数に対してそれぞれ課金し、基本料金も徴収します。

その他、無数の料金プランが存在していますが、これについてご紹介するのは、本記事の趣旨とは離れてしまいますので、以上の予備知識までとさせて頂きます。
スマホ決済の代表的な運用コストは、基本的に申し込み前からコミットされている料率を1回の決済に対して手数料として徴収するのみで非常ににシンプルな仕組みとなっています。

2.スマホ決済の主な機能

次に、スマホ決済のクレジット決済ができるという部分以外の主な機能に触れていきます。

取引のスマートな完結(レシートはメールで、サインもデバイス上で)

利用形態にもよりますが、レシートや明細書の発行やサインの記入もスマホデバイス上で行うことができます。レシートや明細書はメールで送信。サインの記入はデバイスの画面上に行います。(指やタブレット用ペンなど)

ただし、レシートが必要なお客様にはメールで送信するという形式になるため、日本国内の一般的な消費者には馴染みがないかもしれません。また、メールアドレスを入力していただく必要がある為、個人情報の観点も含めて考えると完全なペーパーレスは現時点の日本国内では少々難しいかもしれません。
追加でコストをかけることにより、キャッシュドロワーやレシートプリンタ付きの設備にも対応できますので、従来通り紙にサインする運用も可能です。

クラウド会計ソフトへの連携

事業の帳簿であるクラウド会計ソフトとの連携がほとんどの提供会社で可能です。クレジット取引は通常、売掛け金として処理し、決済手数料が差し引かれて入金されます。この帳簿処理をスムーズに行うことができます。すでにクラウド会計ソフトを利用している場合は、スマホ決済を導入したことでバックオフィス業務に大きな影響が出ることが少なくなります。

タブレットPOSとの連携

小規模店舗で盛り上がりを見せているタブレットPOSとの相性はバツグンです。タブレットPOSの導入を検討している場合には一緒に導入するのが良いでしょう。レジアプリも対応しているサービスが多く選択肢が色々あります。

3.スマホ決済導入の流れ

ステップ1:導入形態を決める

実際にご自身の商売にどのような形で組み込むのか、まずは青写真を考えましょう。クレジット決済に利用する端末はどれか?(例:ご自分のスマートフォン、お店のタブレットPOSなど)新しく設備を整えるのか、選択肢は様々です。

ステップ2:提供会社のwebサイトでアカウントを取得して利用の申込みをする

ほとんどの提供会社はwebサイト上で申込みを受け付けています。基本的には個人店舗を対象にしているため、1つの店舗で使う前提のユーザー登録です。複数店舗に一括して導入するなどの場合は、問い合わせ窓口へ連絡しましょう。

また、お店の業態などを確認するために、営業許可証などの写しの提出が必要なサービスもあります。申込みページに表示されるガイダンスに従って必要な書類を準備しておきましょう。

ステップ3:カードリーダーやアクワイアラー(加盟店事業者)ステッカーの入手

アカウントの作成後、通常は数日程度でカードリーダーが送付されてきます。カードリーダーはその名称どおり必要なハードですが、アクワイアラーステッカーは聞き馴染みがないかもしれません。お店の入り口やレジの前に掲示されているカードブランドのマークが表示されているステッカーや、設置できる小看板のようなアイテムです。通常はカードリーダーと一緒に送付されてきますので、利用開始の際には店舗の目立つところに表示しましょう。

4.スマホ決済を導入する前に知っておくべき4つの注意点

注意点1:アカウントの停止リスクが高い

スマホ決済は一般的なクレジット決済業者よりもアカウント停止リスクが高いと言われています。クレジット決済を取り扱う際には通常、店舗や運営者の信用情報がチェックされ厳重な審査が行われます。スマホ決済の提供会社のいくつかは、利用開始までのスピードを重視して初期の審査を簡易化し、利用開始後にも継続的に審査をしています。よって利用開始後にいきなりアカウント停止という事もありえます。
利用開始後に通常の商売で利用している限り、アカウント停止の可能性は低いと思いますが、気になる場合には直接問い合わせ窓口へ連絡をして確認しておきましょう。

また、アカウント停止になる典型例としては、カードリーダーそのものの動作確認(初期不良のチェック)をする際によく起こる事例があります。動作確認では実際にテストで決済しなくてはなりません。この時にアカウント申し込みをした代表者のカードを使ってしまうと、不正な現金化とみなされることになります。決済受付の名義と、決済カードの名義が同一であることは明確に禁じられています。

他にも短時間でテストを何度も繰り返す、決済を何度もキャンセルするなど、不審な取引とみなされるケースもあるようです。提供会社のヘルプページなどをきちんと確認して、予期しない不要なアカウント停止は避けましょう。

注意点2:周辺機器の準備や会計ソフトとの連携は大丈夫か?

基本的にはスマートフォン、タブレットさえあればクレジット決済が出来ますが、実際に業務全体を見渡すと、それほど単純な話ではありません。レジとの連携や会計ソフトとの連携も押さえておきたいところです。

レジなどの既存設備をリプレイスする必要があるとコストは当然かかります。クレジット決済だけを気軽に導入しようと思ってハードを全面的に買い換えることになるようでは本末転倒と言えます。タイミングよくリプレイス時期であったり、会計ソフトなどのバックオフィス業務を改善していくタイミングであれば効率的にコストや工数を削減できる可能性もありますので、この点についても慎重に検討しましょう。

注意点3:店舗スタッフにそれなりのITスキルが必要

スマートフォンやタブレットが普及しましたが、基礎的なITスキルが未熟な人はまだ多いです。スマホ決済を利用するにあたって、選択したハードの種類によってはWi-Fi接続が必要なケースも出てきます。ネットワーク接続が不安定になってしまったり、お店のルーターがハングアップしてしまったりした際に、復旧できるよう手順書を配備するなどの工夫も必要になります。

注意点4:クレジット決済の手数料を甘く見ていないか?

現在のご自身の店舗でクレジット決済手数料を負担できるかどうか慎重に検討しましょう。年間ベースで見ていくとかなり大きな金額となります。新規創業のスタートアップ時点では申し込みだけしておき、売上の状況やキャッシュフローがどのようになるか見極めてから利用を開始しても遅くはありません。
すでに旧来のCAT端末でクレジット決済をおこなっている場合は、料率が下がる可能性が高いのでこの注意点は当てはまりません。

4.旧来のクレジット決済から乗り換える必要があるか?

まだまだスモールビジネス向けのサービス

こまでにご紹介してきた内容からスマホ決済は、スモールビジネス向けで個人事業者や小規模な店舗に向いていると言えます。月間のクレジット決済受付は数回程度、売上金としても10万円に満たないようなケースでは、スマホ決済一択であるとご想像いただけるのではないでしょうか。

店舗数が10店舗を超えるような規模や年間のクレジット決済の回数や金額が非常に多いようなケースでは、スマホ決済は適していない可能性があります。旧来のクレジット決済契約では料金プランが豊富で、結果としてスマホ決済よりお得になる可能性もあります。

また、旧来のクレジット決済契約では、年間取引回数や年間取引金額をベースに料率を交渉することができます。初年度は5%など厳しい料率でスタートした新規創業者も1年の取引実績を後ろ盾に、料率を交渉することができます。興味があるのは、長年契約を継続し安定的な取引金額があった場合、一体どこまで料率を下げてもらえるのか?です。
現状、スタートラインではスマホ決済が3.24%とリードしていますが、10年、20年と旧来のクレジット決済契約を維持した場合に、『最安』と謳われているスマホ決済の3.24%を下回る可能性もゼロではありません。

是非、自社のクレジット決済の月間受付量(回数、金額)、自社の結んでいるクレジット決済契約の基本料金や料率、ルールなどを確認して頂き、スマホ決済とどちらが有利か判定してみてください。

5.主なスマホ決済サービス

最後に、現在利用可能な主なスマホ決済サービスをご紹介します。各サービスの情報は更新される場合がありますので、導入検討の際は必ず各社webサイト等で詳細をご確認下さい。

サービス名

運営会社

カードブランド、料率

備考

Square

Square株式会社

VISA、Master、AMEX

手数料:3.25%

振り込み手数料や、解約手数料なし
独自のレジソフトで売上分析などを提供。他POSレジサービスと連携可能。

楽天スマートペイ

楽天株式会社

VISA、Master、JCB、AMEX、Diners、DISCOVER

手数料:3.24%

楽天銀行なら振り込み手数料無料
レジ機能はなし。別途POSレジサービスと連携。

Coiney

コイニー株式会社

VISA、Master、セゾン、JCB、AMEX、Diners、DISCOVER

業種、審査結果で受付可能カードブランドが決まる。

手数料:3.24%

月に6回までの入金可能
入金指示から2営業日で入金
指示なしの場合、翌月20日に一括で入金

食べログPay

株式会社カカクコム

ベリトランス株式会社

VISA、Master、JCB、AMEX、Diners、DISCOVER

VISA、Master以外は別審査があり結果次第で受付可能か決まる。

手数料:3.24%(VISA、Masterのみコミット)
VISA、Master以外の手数料はコミットされていない。

翌営業日に入金。入金手数料200円。

Airペイメント

株式会社リクルートライフスタイル

VISA、Master

*JCB、AMEX、Diners、DISCOVERの取り扱い準備中。

 

手数料:3.24%

最大月に6回まで入金。振り込み手数料無料。

*利用可能な銀行に制約あり。

 

スマレジPAYMENT

株式会社プラグラム

VISA、Master、JCB、AMEX、Diners、DISCOVER

VISA、Master以外は別審査があり結果次第で受付可能か決まる。

手数料:3.24%(VISA、Masterのみコミット)

VISA、Master以外の手数料はコミットされていない。

入金間隔や振り込み手数料などについての情報が提示されていない。
詳細は要問い合わせ。

6.まとめ

クレジット決済の有無は、お客様にお店を選んで頂けるきっかけの一つになりつつあります。まだ日本ではそれほどではないようですが、海外では、クレジットカード利用可能かどうか、店頭にわかりやすく表示されているか、いないかで入店率が変化するというデータもあるほどです。

店舗側は、商品ラインアップの拡張、客単価の改善などビジネス戦略の一つとして、顧客側は支払い方法も商品も選択肢が広がります。一方で、コストがかかることは間違いのない事実ですので、ご自身のビジネスを見渡して実装していくか冷静に判断していく必要もあります。

効率化の観点では、レジの入れ替えや会計ソフトとの連携など全体的に見ていく必要もあるでしょう。既存のクレジット決済契約がある場合には内容を自社でじっくり確認の上で、導入を検討してみてください。