二木ゴルフEC責任者に聞くレコメンドエンジン導入事例

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全国に約60店舗を展開する老舗ゴルフ用品小売の二木ゴルフは、自社ECサイトである「二木ゴルフオンライン」に富士ソフトの新しいレコメンドサービスである「ファンレコ」の導入を決めた。今回、株式会社二木ゴルフ 経営企画室 ネット事業課マネジャーである木村 剛氏にレコメンドエンジン導入の背景や狙い、EC戦略などについて詳しく話しを伺った。

1.二木ゴルフの概要

- はじめに、ゴルフ用品販売業界の中での二木ゴルフの特徴を教えて下さい。

二木ゴルフは1973年に創業した、ゴルフ用品販売の大型専門店です。現在、全国に約60店舗展開しています。熟練スタッフがお客様の要件や特徴に合せて最適な商品を提案する、接客力・フィッティング力(*)を特徴としています。

「安さ」で勝負するのではなく、二木ゴルフは接客力・フィッティング力でお客様の満足度を高めることを重要視しています。この接客力・フィッティング力が二木ゴルフの強みとなっています。

*フィッティング:お客様の体格や要件から最適なゴルフクラブを導き出すこと

2.ECサイト「二木ゴルフオンライン」の概要

- 続いて ECサイト である「二木ゴルフオンライン」について教えて下さい。

二木ゴルフオンラインは 2004年6月にオープンした二木ゴルフの自社ECサイトです。
現在月間セッション数は 1,500万に上ります。常時5,000商品ほど取り扱っており、年間2~3,000の新商品が登場します。リアル店舗は50代~60代のお客様がメインですが、ECサイトでは40代~50代が一番多い顧客層です。

- 二木ゴルフオンラインの強み

「リアル店舗」から吸い上げたお客様のニーズを、ECサイトの運営に活かせることが強みです。ECサイトだけではお客様のニーズをすべて把握することが難しく、リアル店舗があることによりお客様の生の声を直接聞くことができます。リアル店舗では販売スペースの関係から置ける商品に限りがありますが、サイトでは売り場の制約がなく細かなニーズにも応えることができます。
リアル店舗から吸い上げた細かなお客様のニーズをECサイトでスピーディに応える。これはリアル店舗を持っている二木ゴルフならではの強みになっています。

- 顧客満足度のためにマンパワーが掛かる業務をあえて自社で行う

ECサイトもリアル店舗と同様にお客様の満足度を高めることを重要視しており、あえて非効率に見える業務も行ってまいす。例えば、お客様のお問合せを受け付けるコールセンターは外部の専門業者に委託するEC事業者が多い中、あえて自社で運営しています。
お客様から頂くゴルフ用品に関するお問合せに対して、ゴルフ用品専門店ならではの専門力を持った担当者が対応することで顧客満足度を高めています。
また、EC倉庫も自社で運営し、梱包から発送まで自社で丁寧に取り扱っています。お買い上げ頂いたお客様にご満足頂きたい。そのために高い品質をお客様にご提供しています。

3.レコメンドエンジンの導入について

- 次に レコメンドエンジンを二木ゴルフオンラインに導入した背景を教えて下さい。

実は、レコメンドエンジンは過去に2~3度導入したことがあります。過去に導入したレコメンドエンジンは、ロジックから導き出されるシステムチックなレコメンドで、当社が求めるお客様目線のレコメンドを行うことができませんでした。

- システムだけでは最適な提案(レコメンド)ができない

ゴルフ用品の販売では、システムだけでお客様に合った最適な提案を行うことはなかなか難しく、熟練したスタッフの経験がどうしても必要です。当社では熟練した店舗スタッフが、お客様ごとにさまざまな視点からお客様に合わせた提案を行います。
専門店ならではの、このさまざまな視点からの提案、そしてお客様自身の視点で比較検討できる仕組みをECサイトでも実現したいと考えていました。富士ソフトの「ファンレコ」であれば実現可能と判断し、今回導入を決めました。

〈「二木ゴルフオンライン」のレコメンド〉

二木ゴルフ

二木ゴルフオンラインでは、このような視覚的なレコメンドを商品ごとに提供している。
このレコメンドを二木ゴルフでは「ポジショニングマップ」(以下、マップ)と呼んでいる。1商品に対してスタッフやお客様が異なる視点から複数のマップを登録する。ECサイトに訪れた人は、様々な視点を参考に買い物をすることができる。

導入の効果と想定結果とのギャップを教えて下さい。

導入によって、1人あたりのサイト滞在時間やページ閲覧数が増えるだろうと想定していました。二木ゴルフでは商品を大きく「ゴルフクラブ」「アパレル」「用品」に分けており、その中でもゴルフクラブの導入効果が一番高いと想定していました。ゴルフクラブでももちろん導入効果はありますが、実際に効果が高かったのはキャディバッグやボールなど「用品」のページ閲覧数の増加が顕著でした。

- 導入時や導入後に課題となったことがあれば教えて下さい。

継続してレコメンドを投稿することが大きな課題です。商品ごとに様々な視点のマップを作る必要があり、マンパワーが掛かります。効果を見ながらいろいろ試行錯誤して進めていく必要があると考えています。

4.今後の「二木ゴルフオンライン」の戦略について

今後の「二木ゴルフオンライン」の戦略を教えて下さい。

今後も一貫して「お客様の満足度」を高めることに最も重視していきます。リアル店舗は売り場面積の関係から主力商品中心の売り場にならざるをえません。しかし実際はお客様にはさまざまな要望が多くあります。特に30代以下のお客様のニーズが多様化していると感じています。ECサイト専門の商品を増やして、より多様なニーズにお答えできるサイトを目指しています。

「二木ゴルフオンライン」は月間1,500万セッションありますが、まだまだ拡大できると考えています。店舗から吸い上げたお客様の細かなニーズにスピーディに応えること、多様化したニーズに合わせた評価軸のレコメンドを提供することで、これからも多くのお客様の欲しい物、興味をそそる商品を提供できるサイトを目指していきます。

5.まとめ– 編集後記-

木村様にお話を伺って感じたことは、二木ゴルフのとことんお客様満足度を追及する“ユーザーファースト”の姿勢である。“ユーザーファースト”がリアル店舗だけでなくEC事業にも活きている。
マンパワーが掛かる業務をあえて自社で行っていることも印象的であった。外部に委託して効率化できる業務は、企業の競争力の源泉にはならない。二木ゴルフでは、一見非効率でもお客様満足度に直結するのであれば率先して自社で行う。そしてそこで蓄積された経験・ノウハウは簡単に真似できない。それが二木ゴルフの強さにつながっているのではないだろうか。