RFP(提案依頼書)とは?コンサルが教えるRFPの全知識と必要性

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システムやベンダー(IT企業)選定の際、RFPを書いていますか?
書かずに選定を進めている企業は、最初から失敗を計画しているようなものです。
RFPとは、「提案依頼書」の略で「システムの選定」や「IT企業の選定」に失敗しないために、どの規模の会社であっても作成すべきものです。

RFPを作成するだけでシステム導入の失敗率を下げる事ができます。
しかし、ITの専門知識を持った担当者が少ない中小企業では、RFPを作成せず安易にベンダーやシステムを選び、システム導入に失敗してしまうケースがとても多くあります。

中小企業向けのシステムであれば、実はRFPの作成はそれほど難しくありません。
ですので、IT担当者がいないからと作成をあきらめるのはとてももったいないことです。
この記事では、RFPの基本知識をITの専門知識を持たない方でも理解できるよう、どの記事よりも分かりやすく解説します。まずはこの記事を読んで、RFPについて理解を深めましょう。

1.RFP(提案依頼書)とは

RFPとは、システムの導入や何らかの業務を委託する際に、
IT企業に「○○したいので最適な提案を下さい」と依頼するための文書のことです。
「Request For Proposal」の略で日本語では「提案依頼書」と呼ばれています。

RFPは、IT企業であれば知らない人はいないほどメジャーなものですが、IT企業に発注する側での認知度はそう高くありません。特にIT担当者がいない規模の中小企業では、RFPを作成している企業の方が少ないでしょう。

RFPはシステム導入を成功させるためにとても重要なツールです。自社の要件に合った「最適な提案」をしてくれる企業を選らばなければ、多くの場合システム導入は失敗します。
そして、「最適な提案」をしてもらうには、発注する側の要件を「正しく」そして「分かりやすく」伝えなければなりません。

自社に合った「最適な提案」をもらうために、発注する側の要件を正しく、かつ分かりやすく伝えるためのもの』とご理解頂ければ大丈夫です

2.RFPの5つのメリット -なぜRFPが必要なのか?-

ここではRFPがなぜ必要なのかそのメリットを詳しく解説します。システム導入を失敗しないためにぜひこの章を読んでRFPの必要性を理解して下さい。

2.1.IT企業の提案レベルの向上・選定期間の短縮

要件を明確にすることにより、要件に沿った提案をもらう事が可能です。要件が不明確だとIT企業側も何を求められているのか分からず、こちらが期待したものとまったく違う提案をもってきてしまう事もざらではありません。
RFPを作成することにより、IT企業の提案レベルを上げ選定に必要な期間を短縮することができます。

2.2.IT企業の評価がしやすくなる

RFPに沿って提案をもらう事により、IT企業各社の提案を横並びで評価がしやすくなります。RFPがない場合、各社ばらばらな提案になりますので非常に評価が難しくなります。

2.3.発注先とのトラブル発生率を下げることができる

システム導入では、あいまいな要求やあいまいな発注、口約束などが原因でスケジュール遅延が発生したり、品質や支払関係などで企業間の訴訟になってしまうケースがとても多くあります。

例えば、口頭できちんと要件を伝えたつもりだったのにシステムが納品されてみるとまったく期待していたものと違う。発注元は作り直すか金返せと要求する。発注先企業は言われた通り作っただけと言い張り平行線。そして訴訟に…など定番です。
このようなトラブルを防ぐためにもRFPを作成し要件を明確化して下さい。 

2.4.システム導入の目的や要件を明確にすることができる

RFPを作成することで、システム導入の目的や要件を明確にする事ができます。
「目的」「ゴール」「要件」を明確にしないまま導入することは、「システムが使えない」「想定以上に費用が掛かった」などのトラブルを計画するようなものです。
システム導入の「目的」「ゴール」「要件」を明確にすることは、システム導入を成功させるための基本ですのでしっかり作成して下さい。 

2.5.経営層や社内の関係部門の合意を得やすくなる

システム導入は大きな費用が掛かるため、経営層は「投資するだけの価値があるか」という投資対効果を一番気にします。他部門のマネージャ層も同様です。RFPを作成することにより、システム導入の全体像が明確化され経営層や関係部門の合意を得やすくなります。

 

このように、RFPを作成することにより多くのメリットを得る事ができます。導入するシステムや企業の規模に限らず必ずRFPは作成しましょう。

RFPはIT企業側にとっても重要なものです。こちらからRFPを出さなければRFPを求めてこないIT企業や、要件を整理して資料化すらしないIT企業も多くあります。このようなIT企業は信頼できませんので早い段階で選定の対象から外してしまうと良いでしょう。

3.RFPを作成しなかった場合のデメリット

ここでは、RFPを作成しなかった場合の影響を、作成した場合のケースと比較して解説します。

フェーズ

RFPを作成しなかった場合

RFPを作成した場合

社内合意

・システム導入の目的や要件を経営層や関係部門に明確に伝えられず、合意を得るのに時間が掛かる

・システム導入の目的や要件を経営層や関係部門に明確に伝えられ、RFPがないよりも円滑に合意を得る事ができる

提案依頼

・提案依頼先に要件を明確に伝えられない

・提案依頼先(IT企業)と明確に共有することができる

提案書受取り

・要件が不明確なためIT企業の提案が期待したものとずれてしまう
・品質の低い提案になってしまう
・見積り精度が低くなるため金額が高くなる、または見積り漏れが発生する

・RFPの要件に沿った、品質の高い提案をもらう事ができる

提案評価

・各社の提案書のフォーマットや内容がばらばらで評価が難しい。
・提案書の品質も悪く、再提案が必要となり選定に時間が掛かってしまう

・各社の提案を横並びで評価することができ、評価しやすい
・確認事項を最小化することができるため選定期間を短縮することができる

このように、比較してみるとRFPを作成することで多くのメリットがある事が分かります。RFPを作成することのメリットをよりご理解頂けたのではないでしょうか。次の章ではRFPに記載すべき情報について解説します。

4.RFP(提案依頼書)に記載すべき情報

ここではRFPに記載すべき情報についてその概要を解説します。この章を読んでRFPにどのような情報を記載しなければならないのか概要をつかんで下さい。

4.1.概要

案件の全体像をIT企業(発注先)が理解できるよう整理した情報を記載します。

  • 本書の目的:何のための提案依頼書なのか、本書の目的情報
  • 背景:システム導入を行うことになった経営的背景などの情報
  • 現在抱えている課題:現在抱えている解決したい課題情報
  • プロジェクトの目的:プロジェクトの目的などの情報
  • ゴール:品質、納期などの情報
  • プロジェクトの範囲:システム導入の範囲(システムや調達機器、保守など)の情報
  • 会社情報:会社の基本情報や組織図、システム利用者情報などの情報
  • システム構成:現行の社内システムの情報
  • 機器情報:現行PCやサーバなどの機器情報

4.2.提案依頼要件

具体的にこういう情報を盛込んで提案書を作って下さいという情報を記載します。
「導入事例には必ず導入した企業の業種と規模を明記して下さい」など提案書に記載してもらう際の要件があればその事も記載します。

  • 会社組織情報(貴社情報)
  • 提案システム概要
  • システム構成
  • プロジェクトスケジュール
  • プロジェクト体制図
  • プロジェクトマネジメント方法
  • プロジェクトの進め方
  • 運用保守内容
  • サービスレベル
  • 納品物一覧
  • ドキュメントサンプル
  • 概算費用
  • 制約事項
  • 導入事例
  • 契約内容

4.3.選定の進め方

どのように選定を進めるのかその情報を記載します。

  • 選定スケジュール:提案書の提出期限、プレゼン日程、選考結果の連絡日などの情報
  • 提案書提出先:担当者の氏名およびメールアドレスなど連絡先情報
  • 評価方針:評価する際に重要視するポイント

ここではRFPに記載すべき主な情報について解説しました。RFPに記載する情報は必ず上記の通りである必要はありません。その時の状況に応じてケースバイケースです。各項目の書き方や注意点などは別記事にて詳しく解説します。

5.まとめ

ここまで読み進めて頂いた方はRFPの重要性をだいぶご理解頂けたのではないでしょうか。導入するシステムや企業の規模に限らずRFPは必ず作成すべきものです。
ただし、RFPを作成するにはコツがいります。RFPの書き方については以下の記事で詳しく解説してますので参考にして下さい。次はRFPの詳しい作成方法について学んで下さい。

IT担当者でなくても書ける!とことん優しいRFPの書き方

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