【店舗ビジネス必読】厳選6選!スマホ決済徹底比較

クレジット決済業界を震撼させたスマホ決済。現時点でサービスは出揃ってきた感がありますが、まだ新興勢力が出てくる可能性と、旧来のクレジット決済事業者の反撃があるのか?など目が離せません。

今回は、スマホ決済についてサービス内容や利用形態について徹底比較していきます。スマホ決済を選択する判断材料としてください。比較対象は、前回ご紹介した主要サービスと同じものを対象としています。

尚、スマホ決済に関する基本的な解説は以下の記事で解説しています。基本を確認しておきたい場合は併せて読む事をオススメします。

【店舗ビジネス必読】決済方法のトレンド!スマホ決済とは

1.スマホ決済サービスの選定時に注意すべき事

まずは厳選したサービスを一気にご紹介していきたいところですが、スマホ決済サービスを選定する際には、諸々考慮、注意しなくてはならないことが多いです。また一度間違った選択をしてある程度の期間を過ごしてしまうと、ビジネスの運営上、変更するのに苦労することもありますので、まずはどういった注意点があるのか?についてご紹介していきたいと思います。

その1:導入形態と自社会計の流れについて考慮してください

新規でビジネスを開始するという場合にはスマホ決済と一緒にどのようなレジを導入したいのか?すでにハードは決まっているのか?などを確認しましょう。

既にビジネスを行っており、カード決済の仕組みをリブレイスする予定、もしくはクレジットカード決済を新たに追加するためにスマホ決済を検討しているのか?など今回の導入でレジ一式をリプレイスするのか、CAT端末と入れ替えるだけなのか、どのあたりまで踏み込んでいくのか確認してください。

また新規、既存に関わらず、会計業務上カード決済の処理がどうなっていて、スマホ決済を導入した場合にはどのようにして会計帳簿に組み込んでいくのか?具体的に会計ソフトにどのように反映していくのかを確認してください。

反対に、とりあえずスマホ決済を導入だけして、その後の業務手続きについては後からどうにでもなる。どうにかできる。という方は、あまり気にせずに次項の厳選スマホ決済サービスについて読み進めてください。

その2:具体的に今回の比較検討ではどこまで踏み込むか確認してください

スマホ決済を導入する場合、レジが連動していることがベストです。売上管理の観点でも、経営の会計の観点でも、キャッシュフローや帳簿への取り込みが複雑になることは余計な業務負荷が高まる一因となってしまいます。

一括して売上管理する必要があればレジ一式、場合によっては会計ソフトまでテコ入れが必要になる可能性もあります。自社の現時点でのレジ、会計ソフトなどの利用状況や、導入時点での変更範囲対象をどこまで広げるのか決めておきましょう。

既存のレジをそのまま使いつつスマホ決済を導入するのか、一式を入れ替えるのか、悩ましいところではあると思います。せっかく低コストでカード決済機能を利用するべくスマホ決済を導入するのですから、本来はコストがかからないことが一番かもしれません。しかし、それ以上に全体的な効率化を進めることで長期的にはリソース(コストや時間)を節約できる可能性がありますので、検討する時間がある場合には一考の価値アリです。

その3:タブレット端末も含めてどのサービスにするのか検討しましょう

少し本文の趣旨と離れてしまいますが、タブレット端末でスマホ決済を行うケースでは、レジアプリを利用することも視野に入ってきます。端末、レジアプリ、カード決済サービス、会計ソフト、関連する物事が多くて、頭を悩ませることと思います。

ここでは、タブレット端末でスマホ決済をするならレジアプリの使い勝手も検証した方が良い。ということをポイントとして挙げさせて頂きます。
アプリによっては、既存のレジと大幅に使い勝手が変わってしまうことも考えられます。実際にレジをオペレーションする人達が馴染むのに苦労するのは避けたいところです。

また、レジアプリの種類によっては、お会計金額を顧客が確認しやすいカスタマーディスプレイに対応していないケースもあります。ハード的な要件も加味して考える場合は、ハード及びレジアプリを決定した上で、スマホ決済も選択するという流れになるでしょう。

2.スマホ決済サービス選定のポイント

スマホ決済サービスを選定する際にポイントとなるであろう、キーワードは以下です。

  • コスト
  • 入金タイミング(キャッシュフロー)
  • レジ(ハード、ソフト)
  • 会計ソフト、システム

少し本題とは異なる趣旨のキーワードも出てきていますが、これらのキーワードは比較検討の軸になる可能性があります。自社が何に比重を置いて検討するのか明確にしましょう。以下解説していきます。

コスト

これは、単純に月額料金と決済1回につき課される決済手数料、また提供会社によっては入金時の振込手数料といった運用上発生するものと、レジのリプレイスを含めて検討する場合は初期投資に必要なコストを指します。

スマホ決済サービスそのものは、月額料金はかからないものがほとんどですが、連携するレジアプリのサービスが月額料金が必要なケースもあります。
自社の要件として、コストに制限があったり、とにかく安く!という方針などがあれば、重要なキーワードとなります。

入金タイミング(キャッシュフロー)

今回はクレジット決済の仕組み上の“キャッシュフロー”としてあげています。例えば旧来のクレジット決済であれば、15日と末日の2回締めで、15日、30日の2回入金など決められたルールがあります。スマホ決済ではこの入金タイミングが早いのが特長です。

海外ブランドなど高価なアイテムを扱う洋品店などでは、この入金タイミングによって自社のキャッシュフローに大きな変化が出てくる可能性があります。
いわゆる売掛金として後日回収するイメージになりますので、新規導入される場合は、売上の回収がいつできるか?という重要なキーワードです。

レジ(ハード、ソフト)

これは、本題とは少し離れているように聞こえるかもしれませんが、スマホ決済とは切っても切れない縁があります。スマホ決済サービスの利用形態は大きく2つに分けられます。

1つは、現金会計もクレジット会計も全てレジを利用する形態。
もう1つはクレジット会計だけをスマホやタブレット端末で行い、現金会計は既存のレジや別のレジ(手提げ金庫や、店舗専用のサイフなども含む)で行う形態です。

前者の全てレジを利用する形態の場合、レジのハード、ソフトがどういうものになるのか?現場での使い勝手などに十分配慮した選定が必要です。
後者の場合、スマホやタブレット端末の画面上でサインをしたり、レシートが電子送付になったりと、日本ではまだ馴染みのない方法で問題ないのか、レシートプリンタは最低でも必要か?など、検討が必要になります。

会計ソフト、システム

これは事業全体で言うところの、会計帳簿のシステムを指します。今回の自社要件として自社の会計帳簿との連携やデータのやり取りに関してどのような方法があるのか、今よりも自動化できるか?などの業務効率の改善などが目的に含まれている場合は重要となります。

3.厳選スマホ決済サービス

厳選その1:Square(スクエア)

square

まずは、日本でのサービスインの時には”クレジット決済の黒船”と業界を震撼させたSquareです。Twitter創業者の一人が立ち上げたことで有名です。2013年05月に三井住友フィナンシャルグループと提携して日本に上陸しました。

当初は、すでにサービス撤退を表明しているPayPal Hereと共に先駆者としてリードしてきました。米国ではコーヒーショップ大手のスターバックスが全面的にSquareを採用しています。iPhone、iPad、Android端末に対応しています。

料金

  • 料率:3.25%(手入力3.75%)
  • カードリーダー料金:4,980円

対応カードブランド

  • VISA
  • Master、
  • AMEX

対応レジアプリ

  • Squareレジ
  • Airレジ

おすすめポイント

  • freee、マネーフォワードとの連携
  • 振り込み手数料や、解約手数料なし。
  • 独自のレジソフトで売上分析などを提供。他POSレジサービスと連携可能。

厳選その2:楽天スマートペイ

楽天スマートペイ

次に国内ブランドでは、ネット通販大手の楽天グループが提供する楽天スマートペイです。やや後発ではありますが、対応できるカードブランドの多さで一気にのし上がってきた感じがあります。 グループ会社が銀行業、クレジットカード発行、証券業など金融業界への進出も果たしています。

このように金融関連業務を平行してグループ会社が実施しているという事実も、楽天スマートペイを選択する際の安心感につながっているのではないでしょうか。 楽天銀行の口座を持っていれば365日翌日入金が可能です。iPhone、iPad、Android端末に対応しています。

料金

  • 手数料:3.24%
  • カードリーダー料金:9,800円

対応カードブランド

  • VISA
  • Master
  • JCB
  • AMEX
  • Diners
  • DISCOVER

対応レジアプリ

  • ユビレジ
  • スマレジ
  • Bionly
  • EC-OrangePOS
  • poscube

おすすめポイント

  • 誰もが知る国内最大手のネット通販、楽天が手がけている安心感
  • 楽天銀行なら振り込み手数料無料
  • 対応レジアプリが豊富

厳選その3:Coiney(コイニー)

コイニー

国内ブランドの古参はCoineyです。使うなら海外の会社よりもやはり日本の会社だ!という方は有力な選択肢です。対応しているレジアプリやシステムが多く、レジ一式の入れ替えを視野に入れる場合は検討の余地が広くなります。
また、カードブランドの対応数は今回ご紹介のサービスの中では最多の7ブランドです。iPhone、iPad、Android端末に対応しています。

料金

  • 料率:3.24%
  • カードリーダー料金:19,800円

対応カードブランド

  • VISA
  • Master
  • SAISON
  • JCB
  • AMEX
  • Diners
  • Discover

※業種、契約形態により、利用可能ブランドが異なる

対応レジアプリ

  • ユビレジ
  • スマレジ
  • Bionly
  • ポスタス
  • EC-OrangePOS
  • regipad
  • ラクレジ
  • Padpos
  • MAIDO POS

おすすめポイント

  • 最多の唯一7ブランド対応
  • 対応レジアプリが豊富
  • マネーフォワード、freee連携
  • 月に6回までの入金可能。入金指示から2営業日で入金。指示なしの場合、翌月20日に一括で入金

厳選その4:食べログPay

食べろぐpay

グルメサイトのメジャープレーヤー、食べログが提供する食べログPayです。運営会社も価格比較サイトで有名な株式会社カカクコム。またカード決済の業界では有名なベリトランス社との提携でサービスを提供しています。 iPhone、iPad、Android端末に対応しています。

料金

  • 手数料:3.24%(VISA、Masterのみコミット)
    ※VISA、Master以外の手数料はコミットされていない。
  • カードリーダー料金5000円(現在キャンペーンで無料)

対応カードブランド

  • VISA
  • Master
  • JCB
  • AMEX
  • Diners
  • DISCOVER

※VISA、Master以外は別審査があり結果次第で受付可能か決まる。

対応レジアプリ

  • ユビレジ

おすすめポイント

  • グルメサイトでおなじみの食べログ、運営会社はメジャー比較サイト「価格.com」
  • 翌営業日に入金可能。(入金手数料200円)

厳選その5:Airペイメント

Airペイメント

リクルートが手がけるAirペイメントです。まだ参入して間もないですが、やはり国内の大手企業ということで、安心感にはつながるのではないでしょうか。
リクルートは、”Airレジ”というタブレットPOSのアプリも提供しており、全体としてのパッケージ感、利用しやすさなどを前面に出しています。
iPhone、iPadに対応しています。現時点ではAndroid端末はサポートされていません。

料金

  • 料率:3.24%
  • カードリーダー料金:9,980円

対応カードブランド

  • VISA
  • Master
    ※JCB、AMEX、Diners、DISCOVERの取り扱い準備中。

対応レジアプリ

  • Airレジ

おすすめポイント

  • Airレジ関連アプリで予約管理や順番待ち管理などサービス拡大中。
  • 最大月に6回まで入金。振り込み手数料無料。

※三菱東京UFJ 銀行、三井住友銀行、みずほ銀行以外の金融機関は最大月3回の入金。
※ゆうちょ銀行は利用不可。

厳選その6:スマレジPAYMENT

スマレジ

スマレジPAYMENTは、タブレットPOSのレジアプリ”スマレジ”を提供している株式会社プラグラムが提供しています。
スマホ決済機能には直接関係ありませんが、スマレジを導入した場合はレジのカスタマーディスプレイに対応しています。 スマレジはiPhone、iPadに対応しています。現時点ではAndroid端末はサポートされていません。
尚、記事執筆時点では入金間隔や振り込み手数料などについての情報が提示されていない為、詳細は問い合わせてみる必要があります。

料金

  • 手数料:3.24%(VISA、Masterのみコミット)
  • カードリーダー料金23,000円

対応カードブランド

  • VISA
  • Master
  • JCB
  • AMEX
  • Diners
  • DISCOVER

※VISA、Master以外は別審査があり結果次第で受付可能か決まる。

対応レジアプリ

  • スマレジ

おすすめポイント

  • スマレジを導入した場合は連携が簡単。
  • スマレジはレジ機能が豊富で、在庫管理なども提供している。

4.筆者ならどう選ぶ?

筆者は、小規模な飲食店を1店舗運営しております。そんな私が、「今からスマホ決済を導入する」という仮定で、検討した結果をご紹介いたします。執筆しながら、本文ではご紹介しきれない横道にそれた部分も含めて調査をして、私ならこれだ!という結論を出しました。読者の皆様のご参考になれば幸いです。

前提

当店は現金のみの取り扱いで、クレジット決済利用不可(しかし、開店当初に旧来のクレジット審査は念の為通してある)
レジは、1世代ほど前のAndroid端末を大手メーカーがレジ専用機としてカスタマイズ出荷しているものを利用中

当店の課題

  • 旧来のクレジット決済事業者で審査を通してあるが、諸々のコストが年間ベースで見た時にかなりかかっており、クレジット決済の取り扱いをやめてしまった経緯がある。
  • レジのメニュー変更などが、正社員(料理人2名)にはやや難しく、手間がかかっている。
  • 以前、クレジット決済を取り扱っていた時に、会計帳簿との連携が名ばかりのもので、利便性が非常に低く、バックオフィス業務が大変だった。

当店がスマホ決済を導入する目的、要件

  • クレジット決済を再開させ、高単価なメニューバリエーションを拡張したい
  • レジの操作はメニュー変更などの設定を含めて全てがシンプルで無くてはならない
  • 余計なコストはかけない。現状以下のコストで運用できること
  • 会計帳簿に自動反映させ、バックオフィス業務を改善できること

選定ポイントにあるキーワードとしては、以下のような優先順位で考えています。

1.コスト
2.レジ(ハード、ソフト)
3.会計ソフト、システム
4.入金タイミング(キャッシュフロー)

結論

Airペイメントの一択

レジ関連ハードをスマホ決済導入に合わせ全て一新して、Airレジアプリを導入する方針とした。

理由

対応カードブランド数も頭をよぎったが、現在、Airペイメントは、非対応のカードブランドへの対応をするべく努力していると、公式webに明記されており、将来的な対応が期待出来る。
過去の当店におけるクレジット会計データを遡ると、7〜8割はVISAかMasterであり、残りがJCB、AMEXというデータもある。

また、2016年05月〜06月にかけて、Airレジのアプリに大幅アップデートがあり、機能拡張などに積極的な姿勢が見られる。月額無料。Airレジアプリも、無料アカウントでテスト可能。使い勝手が良好。

AirペイメントとAirレジの組み合わせならバックオフィス業務との連携もスムーズにできることもあり、この機会にレジ関連ハードを一新するのはあり。と判断。

コスト面では既存のレジシステムがクラウド接続料金として月額請求されており、Airレジに変更することで無料に下げられる。以上のことから、Airペイメントを選択。

残念な点

Airペイメントは、カードリーダーのキャッシュバックキャンペーンが執筆時は未開催。初期コストはかかってしまうが、長期的なメリットを優先。
また入金タイミングの面では、月に6回まで指示を出せる方式を採用しており、翌営業日などに指定銀行へ自動で振り込まれるというわけではない。

惜しくも選考漏れ

Squareが最後まで選択肢に残ったものの最後に脱落。
理由は、レジの使い勝手が既存のレジと大幅に違っており、独特のインターフェースが、当社のスタッフでは使いこなせないと判断。トレーニングするにも時間と手間がかかる。

楽天、コイニーはカードブランドの多さでノミネートされたものの、レジアプリの利用に月額料金がかかる選択肢となってしまい、コスト削減に寄与できないと判断。スマレジ、食べログもレジアプリの利用で月額料金がかかるので、選外に。

以上が、筆者の選ぶスマホ決済のシミュレーション結果となりました。スマホ決済を導入する際には、関連業務についても、このシミュレーションにあるように視野を広げて考えていく方が、全体的に効率化ができる可能性があります。

5.まとめ

本記事を通して自社の事情に合わせた比較ができましたでしょうか?
いわゆるバックオフィス業務や事務作業と呼ばれる会社の裏方業務と連携せざるを得ないサービスの選択というのはとても難しく、関連する業務まで広げていくと考慮すべき範囲はキリがありません。

あれもこれもと、関連業務まで芋づる式に仕方なく検討するよりも、予算や、導入までの時間、自社がなぜ今回スマホ決済を導入するのか?を突き詰めていけば、どこまで考慮するか決まってくるかと思います。本記事が比較検討の一助となれば幸いです。

各サービスの情報は更新される場合がありますので、導入検討の際は必ず各社webページで詳細をご確認下さい。