この記事にたどりついた方は「タブレットPOSを導入したいけど製品が多すぎて分からない」「どう選べばいいの?」という方が多いのではないでしょうか?
現在とても多くのタブレットPOS製品がありますが、それぞれ向いている業界や対象店舗規模、特徴があります。よって、安易に選ぶことは失敗につながりかねません。しかし、タブレットPOSの選定ポイントを解説した記事は多くありません。
そこでこの記事では自社に合ったタブレットPOSを選定できるよう、システム部門で選定・導入を経験したプロの視点から費用や機能、特徴を比較・解説します。数ある製品を比較した上でおすすめできる製品に絞って解説します。この記事を読んでタブレットPOS選定の参考にして下さい。
Contents
1.絶対におさえておくべきタブレットPOS選定の4つのポイント
この章では、タブレットPOSの選定ポイントについて解説します。飲食向けのタブレットPOSであっても、小売企業から問合せがあれば、ITベンダーは強引に導入しようとしてきます。失敗しないためにも、この章で解説している4つのポイントを必ず抑えて下さい。
1.1.どの業種向けの製品か
タブレットPOSは、製品ページには記載されていない事が多いですが、大きく分けて「飲食店用」「小売店用」に分かれています。レジ機能は変わらないのでどちらの業種でも使えますが、他の機能で異なってきます。業種に合った製品を選ぶことが第一歩です。
飲食店用
一般的なレジ機能に加えて「来店予約」「座席管理」機能などがついています。
小売店用
一般的なレジ機能に加えて「仕入」「在庫管理」「顧客管理」機能などがついています。
1.2.機能
タブレットPOSは「飲食店用」「小売店用」で大きく分かれていますが、同じ飲食店用、小売店用でも製品ごとに特徴や機能が異なります。どのような機能を求めているのか明確にした上で選ぶと失敗しないでしょう。
また、必要な機能が少ないのであれば、機能が絞られた製品を選んだ方が良いです。機能が多い製品はメニューが多く画面が複雑なので操作を覚えるのに時間が掛かります。
1.3.カスタマイズ性
タブレットPOS製品のほとんどがクラウド型の製品のため、自社の要件に合わせてカスタマイズできない製品が多くあります。カスタマイズも視野に入れているのであれば、カスタマイズ可能な製品を選定しなければなりません。
1.4.どのOSに対応しているか
忘れてはならないのが対応OSです。タブレットPOS製品は以下のOS毎に製品が分かれています。既にタブレットを持っているのであれば、そのタブレットのOSから製品を選ぶ必要があります。タブレットPOSの多くはiPad向けになりますので、iPad以外を使っている場合は買換えも視野に入れた方が良いでしょう。
iOS
言わずと知れた「iPad」のOSです。
Android
Googleが提供しているOSで、「Huawei」や「NEC」「ソニー」など多くのタブレットのOSとして採用されています。
Windows OS
マイクロソフトのタブレットOSで、「Surface」や「ASUS」などのタブレットに搭載されています。
2.飲食店におすすめのタブレットPOS徹底比較表ー厳選5選ー
2.1.サービス概要比較表
飲食店向けのタブレットPOSはほとんどがiPad向けの製品になります。
チェーン店(複数店舗)対応していない製品もありますので、選定の際に必ず確認して下さい。
サービス名 |
初期費用 |
月額費用 |
対象規模 |
対応OS |
カスタマイズ |
0円 |
0円~ |
個店 |
ipad |
不可 |
|
0円~ |
5,000円~/店 |
個店 |
ipad |
不可 |
|
0円~ |
0円~12,000円/店 |
個店 |
ipad |
システム間 |
|
非公開 |
非公開 |
個店 |
ipad |
不可 |
|
700,000円~ |
2,980円/店 |
個店 |
ipad |
可 |
2.2.機能別比較表
最近の製品は飲食店向けの機能を多く持っています。もし予約管理やオーダー管理まで行いたいのであればその機能を持った製品を選んで下さい。レジ機能だけで良いのであれば価格と操作性(使いやすさ)で選ぶと良いでしょう。
サービス名 |
支払方法 |
予約管理 |
オーダー管理 |
テーブル管理 |
売上分析 |
現金 |
予約入力 |
× |
空席/在席 |
期間別 |
|
現金 |
× |
別料金 |
× |
期間別 |
|
現金 |
× |
別料金 |
× |
期間別 |
|
現金 |
× |
オーダー登録 |
空席/在席 |
期間別 |
|
現金 |
× |
オーダー登録 |
空席/在席 |
時間帯別 |
3.飲食店向けおすすめタブレットPOS製品の解説
3.1.AirREGI
リクルートが提供するタブレットPOS製品です。機能をだいぶシンプルに絞っているため、個人店におすすめです。一般的なレジ機能に加えて予約管理や座席管理機能が無料でついている点が評価できます。在庫管理機能など小売業務機能もついていますが、非常に弱く小売業にはおすすめできません。クレジットカード決済で課金される仕組みです。「freee」や「マネーフォワード」など会計システムと標準で連携できる事も大きなメリットです。
3.2.ユビレジ
「AirREDI」よりさらに機能が絞られており、システムが苦手な飲食店の方におすすめの製品です。ユビレジ自体の機能は絞られていますが、「freee」や「マネーフォワード」などの会計システムや「StockScan(在庫管理システム)」、「FLICKORDER(オーダーシステム)」、「Salesforce(売上分析)」など標準で多くの製品と連携できる仕様になっている点は非常に評価できます。まずは小さく使い始めて、徐々に拡張する使い方ができます。
3.3.スマレジ
15,000店以上に導入されており実績豊富なタブレットPOS製品です。機能重視のお店におすすめです。
プラン別に使える機能が制限されていますが、機能面では低価格タブレットPOSの中では飛びぬけています。個店でも1日に数十~数百万円を売るようなお店から小規模チェーン店まで導入可能な製品です。
3.4.NECモバイルPOS
NECが提供するタブレットPOS製品です。オーダー管理やテーブル管理機能もしっかりしており、飲食店に特化した製品になっています。NECは古くからPOSシステムを開発しており、コールセンターも強く信頼性が高い製品です。価格が不透明なのが残念ですが、「メーカー」の規模など気にするお店には良いでしょう。
3.5.POS CUBE
飲食店に特化したタブレットPOS製品です。初期費用70万円~、月額費用2,980円と他製品に比べて割高ですが、導入店舗数800店以上と実績が高く信頼できる製品です。機能がしっかりしており大型の個店やチェーン店でも使用することができます。またカスタマイズ可能な数少ない製品です。
4.小売店におすすめのタブレットPOS徹底比較表ー厳選4選ー
4.1.サービス概要比較表
小売店向けのタブレットPOSも多くはiPad向けになりますが、WindowsタブレットやAndroidに対応した製品もあります。また、飲食店用に比べてカスタマイズ可能な製品が多いです。
サービス名 |
初期費用 |
月額費用 |
対象規模 |
OS |
カスタマイズ |
0円~ |
0円~12,000円/店 |
個店 |
ipad |
システム間連携のみ |
|
要見積 |
9,800円~/台 |
個店 中規模チェーン |
ipad |
可 |
|
0円 |
0円~8,800円/店 |
個店 |
Android |
不可 |
|
47,500円~ |
3,000円 |
個店 |
iPad |
可 |
4.2.機能別比較表
タブレットPOSとはいえ、簡易的な基幹システム機能を備えた製品が主流です。
個店や数店舗しかない企業であればタブレットPOSだけで業務が回ってしまいます。
サービス |
支払方法 |
販促 |
仕入 |
移動 |
在庫管理 |
売上分析 |
顧客管理 |
現金 |
値引き |
発注 |
移動依頼 |
在庫調整 |
期間別 |
顧客情報 |
|
現金 |
値引き |
発注 |
店間移動 |
在庫検索 |
期間別 |
顧客情報 |
|
現金 |
値引き |
発注 |
店間移動 |
在庫検索 |
期間別 |
顧客情報 |
|
現金 |
値引き |
発注 |
店間移動 |
在庫検索 |
期間別 |
※別料金 |
5.小売店向けおすすめタブレットPOS製品の解説
5.1.スマレジ
15,000店以上に導入されており実績豊富なタブレットPOSです。15,000店以上に導入されているだけあって、POSでありながら小売業務機能(バックオフィス機能)を網羅的に持っていることは非常に評価できます。個店や小規模チェーンであれば基幹業務システムがなくても十分業務が回りそうです。機能重視のお店におすすめです。
5.2.EC-Orange POS
タブレットPOSでは数少ないWindowsタブレットに対応した製品です。ipadでも使えます。オムニチャネルを推進している企業の製品のため、ECサイト・多店舗在庫のリアルタイム検索やECサイトで注文した商品の店頭受取り、複数店舗共通のポイント管理などの機能を持っています。
小売業務機能(バックオフィス機能)は弱いですが、カスタマイズ次第で中規模チェーンまで使えるポテンシャルを持っています。オムニチャネルに取組みたい企業におすすめの製品です。
5.3.Padpos
PC POSなど古くから様々なPOSを開発・販売している株式会社ビジコムが提供しているタブレットPOSです
数少ないAndroidタブレットに対応した製品です。ipadでは使えません。POSメーカーが提供しているだけあって、小売業に必要な機能が豊富に備わっています。また、カタログ機能も持っているためお客様への商品紹介にも活用できます。Androidタブレットを使っているお店におすすめです。
5.4.GIO POS
格安スマホで有名なIIJが提供するタブレットPOSです。他製品に比べて費用が高いですが、大きい企業だけあって365日24時間コールセンター対応などサポート面に強みを持っています。標準機能は上記他のタブレットPOSとあまり変わりませんが、要件に合わせてカスタマイズ可能な点も強みといえます。サポート面も重視で、かつ要件に合わせてカスタマイズしたい企業におすすめの製品です。
6.まとめ
この記事では「飲食店向け」「小売店向け」に分けておすすめのタブレットPOS製品をプロの視点から詳しく解説してきました。どのタブレットPOSが適しているか判断する事ができるようになったのではないでしょうか。次は実際にメーカーに問合せ導入を進めて下さい。