【IT部門が教える】今さら聞けないPOSシステムの全知識と成功の条件

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この記事にたどり着いた方は、「POSシステム」について知りたい方や「POSシステム」を導入したい方ではないでしょうか。多くの製品があるため、どのタイプのPOSシステムが良いのか多くの方が悩まれていると思います。

POSシステムは「ターミナルPOS」や「PC POS」「タブレットPOS」など様々なタイプのPOSシステムがあり、それぞれ向いている企業規模や特徴があります。そのため、しっかり学んでから選定に進まなければ失敗してしまいます。
しかし、POSシステムの選定方法を解説している記事は多くありません。

この記事では、IT部門を経験したプロが、POSシステムの基本知識から様々なタイプのPOSシステムの特徴、向いている企業、成功の条件などをどこよりも詳しく解説します。実は、選定を成功させるために必要な条件はたった2つだけです。

この記事を読めば、10分でおさえておくべきPOSシステムの全知識と成功の条件を理解することができます。この記事を読んでPOSシステムについて理解を深め、自社に最適なPOSシステムを選定して下さい。

1.POSシステムとは

POSシステムとは、レジの売上を単品単位で集計し、集計結果に基づいて売上げや在庫を管理したり分析を行ったりするシステムです。
POSは「point of sales」の略で、本来は「商取引がおこなわれる場所」を意味しますが、現在ではPOSシステムそのものとPOSシステムに必須な個々の周辺機器を指す場合が多いです。

商品の単品管理は、共通商品コード(日本ではJANコード)を使うことで容易になりました。販売時に商品の値札についているバーコードをスキャナーで読み取り、商品コード、品名、値段など様々な情報を記録します。店舗で登録された情報はサーバに保存され、本部での管理業務にも使われます。

〈POSシステムの概要図〉

POSシステムの概要図

〈POSシステムの周辺機器〉

タブレットPOS構成

POSはスーパーやコンビニのようなチェーンストアで主に導入されていますが、近年では機能控えめながら低価格で導入できるモバイルタイプが個人商店などに普及しています。
予算に応じた選択肢があるため、店舗経営者は「うちは零細だから・・」と言ってPOS導入を諦める必要はありません。

2.POSシステム導入の4つのメリット

この章では、POSシステムを導入するメリットについて詳しく解説します。近年では、個店や中小企業でもPOSを導入できる時代になってます。まずはメリットについて理解しましょう。

2.1.閉店後の売上集計が楽になる

POSシステムは、売上情報を自動で集計してくれます。そのため、旧来のガチャレジで行っていた閉店後の売上集計が大幅に効率化されます。POSの集計結果と現金を照らし合わせるだけで終わりです。

2.2.売上分析の効率化・精度向上

多くのPOSシステムは、様々なレポート機能を備えています。そのため、「いつ・どの商品が・どんな価格で・いくつ売れたか」という売れ行き動向を簡単に把握することができます。
商品の仕入と販売計画を立てるには、過去の実績情報が欠かせません。POSシステムを活用することで、今までExcelなどで行っていた分析を簡略化することができます。POSのデータをDWHやBIツール(分析専門のシステム)と連携し、さらに高度な分析に応用することもできます。

2.3.会計システムとの連携(経理業務の効率化)

POSシステムは、会計システムなど他のシステムとの連携が可能となっています。近年導入が増えているスマートデバイス型POS(タブレットPOS)などは、標準で多くの会計パッケージと連携できるようになっています。

つまり、会計システムに連携し仕訳を自動化してくれます。経理の業務負荷軽減にも大きく貢献します。また、販売管理システムと連携することも多くあります。中規模以上の企業では、販売管理システムを通して会計システムにデータ連携する企業も少なくありません。

2.4.レジ担当者の不正や誤操作を防止できる

POSシステムは、その名のとおり「システム」です。社員証をかざさないとキャッシュドロアを開けないような制御や、レジ担当者の操作ログを出力するといった事も可能です。そのため、レジ担当者の不正やご操作を防止するメリットもあります。

このように、POSシステムを導入するメリットは多くあります。POSシステムを導入することで、業務の効率化や経営戦略の精度を高めることができるのです。
個店でもPOSシステムを導入できる時代です。規模に限らず積極的にPOSシステムを活用して下さい。次の章では、機能について詳しく解説していきます。

3.POSシステムの主な機能

この章では、POSシステムに備わっている主な機能について解説します。近年のPOSは、店舗および本部の業務がより効率化されるよう様々な機能を持っています。この章を読んで自社の業務がどのように効率化されるかイメージしながら読んでみて下さい。

3.1.売上機能

売上登録

販売した商品情報集計し、その情報をデータベースで管理する機能です。また商品コードをスキャンすることで商品の単価を自動取得します。

釣り銭計算

預かり金額から販売合計を差し引き、釣り金額を計算する機能です。連動して自動で釣り銭を払い出してくれるPOSシステムもあります。スーパーなどは自動釣り銭機能を持ったPOSが多く導入されています。

レシート発行

レシートの発行を行う機能です。レシートに割引券やクーポン、お知らせ情報などを印字することも可能です。

決済

クレジットカードや電子マネーの決済を行う機能です。POS製品によっては「CAT」と呼ばれる端末をPOSシステムと接続する必要があります。

売上分析

売上結果を集計しレポーティングする機能です。製品によって標準で搭載されている売上集計機能が異なります。データベースに保持されているため過去の売上情報も簡単に参照することができます。

売上ジャーナル

売上ジャーナルを参照する機能です。原則としてジャーナルは7年間紙で保持することが義務付けられていますが、税務署に申請すればPOSシステムに登録されている電子データのままで保存可能です。

参考:国税局ホームページ

3.2.商品管理機能

商品情報の管理

商品コード、名称、単価、分類、メーカーなど商品に関する情報を登録する機能です。基幹システムからマスタ情報をPOSシステムに連携することが多いです。

発注依頼

商品の発注を本部に依頼する機能です。

在庫管理

在庫数を登録する機能です。販売時に自動で在庫の更新も行います。近年導入が進んでいるタブレットPOSは、在庫管理システムの簡易的な機能を持った製品が主流です。

3.3.顧客管理機能

顧客情報の管理

レジ担当者が会計時に判断して年齢や性別などの顧客属性を登録する機能です。会員カードを読み取り、顧客管理システム(CRM)と連携することも可能です。

ポイント管理

ポイントシステムを導入している店舗であれば、ポイントシステムに登録されている顧客情報と売上情報を自動で紐付けて売上登録されます。

テーブル予約

飲食店向けのテーブル予約機能です。飲食店向けのPOSシステムは、テーブル予約機能を持っている製品が多くあります。小売店向けの製品にはこの機能はありません。

3.4.人事機能

出退勤管理

店舗スタッフの出退勤を管理する機能です。人事システムから社員マスタを連携させたり、人事給与システムに出退勤実績を連携することができます。

シフト管理

シフトの作成作成や更新を行う機能です。

この章では、POSシステムの機能について詳しく解説してきました。
「ガチャレジ」や「バカレジ」と呼ばれる昔ながらのレジとの大きな違いは、「売上情報」が「商品情報」や「顧客情報」と連動することにより、様々な売上分析が可能になることです。

店舗規模が大きくなるほど売上分析をアナログで行うことは困難になります。安価なPOSシステムも出てますので、積極的に活用して下さい。

4.タイプ別のPOSシステムの概要

POSシステムは、コンビニにあるような大型のPOSシステムや、タブレットで動くもの、ハンディターミナル型など様々なタイプのPOSシステムがあります。この章では、各タイプのPOSシステムを詳しく解説します。自社に合っているPOSシステムはどのタイプなのか選定する際の参考にして下さい。

4.1.ターミナルPOS

スーパーやコンビニなどで見かけるレジで使われているPOSシステムです。商品を置けるカウンター込みの大型のものもあれば、小さなテーブルやデスクの上に置けるような小型のものまであります。ターミナルPOSは専用機なだけあってオプション品の充実、操作性の高さが特徴です。導入数が1番多いPOSシステムでもあります。

しかし、端末そのものの費用が高く、安くても一台50万円程度は必要です。端末の老朽化による入れ替えも数年おきに発生するため、その都度同じ費用を見込んでおく必要があります。ターミナルPOSは二桁以上の店舗数を抱える大規模なチェーンストアでのレジとしての用途が適しています。

ターミナルPOS

4.2.PC POS(パソコンPOS)

Windowsなどの汎用的なパソコンにPOSシステムをインストールし、周辺機器をつなぎPOS端末として使うタイプのPOSシステムです。PC POSの特徴は、「パソコン」ですのでPOSシステム以外の作業にも使えることです。店舗と本部のコミュニケーション用にメールを使ったり、商品カタログを入れておいて店員の教育に使用するなど様々な活用方法があります。

パソコンPOS

大塚商会 BCPOS

4.3.ハンディターミナル型

ハンディターミナルをPOSシステムの専用端末として使用するタイプです。注文情報を送信してデータベースに登録されます。スーパーなど小売店では発注作業の際に売り場をあちこち移動するため携帯性に優れるハンディPOSが使用されます。小型でバッテリーの持ちがよいため、催事や屋外などの販売会場にPOSとして使われることもあります。

また、飲食店の注文受付やスーパーなどの商品の入出庫や在庫の管理といった用途にマッチします。スペースが確保できない店舗でPOSレジとして導入するという選択肢もあります。

ハンディPOS

4.4.スマートデバイス型(タブレットPOS)

近年ではタブレットやスマートフォンをPOS端末として使用するケースも増えています。
iPadなどにPOSシステム用のアプリケーションをインストールして注文や会計の出来る端末にしてしまいます。

クラウドを活用することでデータはインターネット経由で格納され、店舗はタブレットやスマートフォンを用意するだけでPOSシステムが使用できます。専用のPOSシステムに比べて導入コストが低く、中小企業にて導入されつつあります。
このPOSは個人商店や数店舗ほどの比較的小規模な小売店のレジ、飲食店の注文受付といった用途にマッチします。

スマレジ

プラグラム スマレジ

このようにPOSシステムには様々な種類があります。どのハードウェアを採用するかはシステム導入のために使える予算や運営する店舗の特徴に合わせて検討しましょう。

5.近年のPOSシステムのトレンド

ここでは近年のPOSにおけるトレンドを解説します。上述のようにPOSシステムには様々なタイプがあり、多くの企業や業種で導入されています。近年ではクラウド化やタブレットなどに対応などすることで、比較的安価で導入しやすくなってます。

5.1.低価格のPOSシステムも登場

以前はまでPOSシステムといえば、大手チェーンストアのような資本のある企業のためだけに存在しているイメージで、実際に導入にはかなりの費用がかかりました。しかしタブレットやスマートフォンを活用したPOSシステムも増えており個人店舗のような資本の限られた企業でも導入できるようになりました。

低価格でも機能は充実しており、小規模の店舗運営には十分応えられると言えます。また無料のPOSシステムを提供している企業もあり、予算はないけどとにかくPOSを使ってみたいと考えている店舗経営者は積極的に活用して下さい。

〈低価格のPOSシステム〉

しかし、これらの低価格POSシステムでは注意しないといけない点もあります。スマートフォンやタブレット端末、お金を格納するキャッシュドロア、レシート等を印字するプリンタ、クレジットカードなど決済用の端末などは別途用意する必要があります。

タブレットPOS構成

5.2.決済サービスとの連携

近年どんな企業でも定率で使える決済サービスも登場し、小規模店舗への導入がどんどん進んでいます。スマートデバイス型のPOSシステムは、標準で以下のような決済サービスと連携できる製品がほとんどです。

〈近年話題の決済サービス〉

上記のサービスはモバイル専用ではないので、タブレットやスマートフォン以外のPOSを導入している多くの業態や業種でも導入可能です。

5.3.POSシステムもプライベートクラウド化へ

インターネット回線の高速化により、かなり定着しつつあるクラウドですが、POSもプライベートクラウド化が進んでいます。インターネット回線とPOSに使う端末が揃っていれば、アプリケーションの開発やサーバの調達をしなくてもPOSシステムを導入することが可能です。プライベートクラウド型のPOSは、「カスタマイズ」できる事も特徴です。Airレジやスマレジなど、パブリッククラウド型のPOSシステムはカスタマイズできません。

〈プライベートクラウド対応しているPOSシステム〉

6.POSシステム選定の成功条件とタイプ別比較表~

POSシステムの選定を成功させる条件はとてもシンプルです。
以下2つのポイントをおさえるだけです。

・自社に最適なタイプのPOSシステムを選ぶこと
・市場シェアの高い製品を選ぶこと

POSシステムのタイプ別に長所や短所、適した企業規模をまとめましたので参考にして下さい。
どのタイプのPOSシステムも、市場のシェアは決まってきています。ユーザーニーズを満たした製品がシェアをつかんでいます。つまり、自社に最適なタイプを選び、そして市場シェアの高い製品の中から選べば良いのです。

〈POSシステムのタイプ別比較表〉

タイプ

長所

短所

コスト

適した企業規模

ターミナル型

・高機能
・必要な周辺機器が付属している

・コストが高い
・スペースが必要

・初期費用
1台500,000円~
・月額費用
1台10,000円~

中~大型チェーン
中~大型個店

PC POS

・高機能
・PCとしても使える

・周辺機器が別途必要
・スペースが必要

・初期費用
1台200,000円~
・月額費用
1台5,000円~

中~大型チェーン
中~大型個店

ハンディ型

・耐久性が高い
・持ち運びできる
・バッテリーが長持ち

・周辺機器が別途必要
・紛失、盗難のリスク

・初期費用
1台100,000円~

・月額費用
1台3,000円~

小~中型チェーン
個人店舗

スマート
デバイス型

・低コスト
・ビジュアルが高い
・省スペース

・他のPOSに比べて機能が少ない
・周辺機器が別途必要
・紛失や破損、盗難のリスク

・初期費用
1台0円~
※端末代除く

・月額費用
1台 0円~

 

小~中型チェーン

個人店舗

7.主なPOSシステムと市場シェア

7.1.ターミナルPOSの市場シェアと主な製品

POSシステムシェア

参考:DSS研究所・インフォメーション研究会

ターミナルPOSの日本の市場シェアは東芝テックとNEC、富士通という大手で約85%を占めています。東芝テックのPOSは世界シェアも25%あり、POS業界で圧倒的な強さを誇っています。
ターミナルPOSとPC POSを選ぶ際は、東芝テック、NEC、富士通の3社から選べばまず失敗はありません。
どのメーカーも製品に大きな差はないため、値引き金額など価格から選ぶと良いでしょう。

7.2.スマートデバイス型POSのシェアと主な製品

スマートデバイス型のPOSは比較的新しい市場であり、多くの企業がシェアを競っています。東芝テックやNECのような大手メーカーではなく、スマレジの株式会社プルグラムや、Orange POSのエスキュービズテクノロジー、Padposのビジコムなどのベンチャー企業がシェアを築きつつあります。
スマートデバイス型POS(タブレットPOS)は、小売店向けと飲食店向けで機能が異なりますので業種によって選ぶと良いでしょう。

〈飲食店向けの主な製品〉

〈小売店向けの主な製品〉

8.まとめ

この記事では、IT部門を経験したプロの視点から、POSシステムの基本知識や様々なタイプのPOSシステムの特徴、向いている企業などについてどこよりも詳しく解説してきました。POSシステムの理解が進んだのではないでしょうか?

POSシステムは個店などの規模でも導入できる時代になりました。費用もかなり抑えて利用することも可能です。POSシステムの導入や入れ替えを検討している企業は、実際にメーカーに問合せてみても良いでしょう。

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