保存版!メルマガ配信システム導入にむけてのポイントまとめ

本記事では強力なマーケティングツールとなり得る、メルマガ配信システム導入の際に抑えておきたいポイントをまとめて紹介します。

普段何気なく受け取っていることがあるメルマガですが、企業で配信するということを考えると必要になってくる機能や考慮すべき点がいくつかあります。本記事を読むことでこれらのポイントを理解し、自社にとって最適な形でメルマガ配信システムの導入がスムーズにできるようになります。

1.メルマガ配信システムの概要

1.1.メルマガ配信システムとは

メルマガは、現在でもビジネスシーンにおいて、自社の顧客に情報提供をする有効な手段となっています。SNSツールでの顧客アプローチも近年では普及してきましたが、顧客と1対1でコミュニケーションをとることのできるメルマガは顧客に製品の魅力をより伝えることができる強力なツールです。

そんなメルマガを配信するためのシステムがメルマガ配信システムです。
メルマガ配信システムを活用するによって、メール配信フローの簡略化やより魅力あるメルマガを配信することができるようになります。

1.2.メルマガ配信システムの製品タイプ

製品タイプとしては自社サーバーで運用する「オンプレミス型」と「クラウド型/ASP型(以下クラウド型)」の2種類あります。それぞれの製品の比較を以下にまとめました。

 

オンプレミス型

クラウド型

メリット

•     細かい仕様を組むことができる
•     自社のポリシーにあったセキュリティ強化をしやすい

•     オンプレミス型に比べイニシャルコストを大幅に下げられる
•     すぐに試せる
•     アップデートにコストがかからない

デメリット

•   クラウド型と比べイニシャルコストが大幅にかかる
•   アップデートコストがかかる

•   オンプレミス型に比べてランニングコストがかかる
•   他者と同じサーバーで運用されている場合がある

適した企業

•     中堅~大企業
•     ITリソースが十分にある
•     IT投資への予算を数百万円規模で確保できる
•     社内システムを管理する専門部署がある

•     中小、零細から大企業まで全ての企業

特別に細かい要件がなく企業的にもクラウドに抵抗感がない限りクラウド型を採用することをお勧めします。クラウド型の採用で運用コストを減らし、新規事業の立ち上げに予算とリソースを回すというのが時代的にマッチングするのではないではないかと思います。

次章では具体的にメルマガ配信システムの細かい機能についてみていきたいと思います。
尚、メールマーケティングについての詳細は、下記記事にも掲載していますのでご参考いただければと思います。

まだまだ効果あり!企業の失敗しないメールマガジンとは

2.メルマガ配信システムの機能

メルマガですが、もちろん “メール配信” を主とするため、ドメイン対応やHTMLメールの送信可否など備えておきたい機能がいくつかあります。この章を読んでメルマガ配信システムの機能について理解して下さい。

2.1.メール作成機能

メルマガの肝となるメール作成において、以下のような機能があります。

HTMLメール配信機能

メルマガの主流になりつつあるHTMLメールを作成する機能です。
ほとんどのメルマガで作成することができますが、直感的な操作で作成できるHTMLエディタが搭載されているかどうかもポイントとなってきます。

ブレインメール

参考:ブレインメール

文章ヘッダー・フッター作成機能

メルマガ発行にあたり、文頭や文末に定型分を差し込む場合に便利な機能です。

オレンジメール

参考:オレンジメール

テンプレート作成機能

読者の目をひくお洒落なデザインのメール作成に欠かせない機能です。
独自に作成したメールテンプレートを使い回すことも可能ですが、デザイン作成コストを下げたい場合、ある程度テンプレートの種類が用意されているシステムを採用することをお勧めします。

Benchmark Email参考:Benchmark

2.2.メール配信機能

次に作成したメールを配信する際の機能を紹介します。

配信予約機能

一斉配信やステップメールにおいて、メールを配信するタイミングが重要になってきます。
そこでメールの文面を作成し、指定の日時に配信するように予約できる機能を重宝します。

ターゲット配信機能

配信リストから特定条件で、セグメント分けしてメルマガを配信する機能です。
複数条件を指定することで、より読者ニーズに合致した情報を配信することができます。

バックナンバー自動生成

配信済みのメルマガのバックナンバーのURLを自動で生成する機能です。
この機能なしでバックナンバーを作成するには、配信毎にバックナンバーをまとめる手作業が発生し運用コストが増加してしまいます。運用コスト削減のためにぜひ欲しい機能の一つです。

2.3.分析機能

送信したメールを分析する機能の紹介です。

開封率測定機能

メールが読まれた「開封率」を計測する機能です。この機能を活用することにより、読者にとって価値のある情報を提供できているのかを分析することができます。

クリック率測定機能

メルマガの本文中に挿入した、自社サイトや製品購入ページのリンクのクリック率を計測する機能です。
この計測結果により、リンクをどこに配置すると効果が高いのかといったメール文全体の構成を振り返ることができます。

エラーメール分析機能

エラーになったメールアドレスのエラー回数を測定します。
設定したエラー回数を超えると自動でメルマガの配信を停止する機能が付いている製品もあり、自動で不要なメール配信を減らすことができます。

2.4.読者管理機能

空メール機能

会員登録をした際に、空メールを登録者に送信させ、自動返信されてきたメールのURLをクリック後、Webに戻り会員登録が完了する機能です。
空メール機能が付いたメルマガ配信システムは以下の記事でまとめられています。

メルマガ配信・メール配信システムを選ぶなら空メール機能がある所にしよう!!配信システム10選まとめ

出典:naver まとめ

ワンクリック解除

受信不要になった読者が、ワンクリックで読者が登録解除できるURLを生成する機能です。
退会受付から退会完了までの一連のながれを自動化します。また、退会理由のアンケートをおこなう機能がある製品もあり、アンケート結果より退会率を下げる施策につなげることが可能です。

自動返信機能

メルマガ登録の際のサンクスメールや、退会時のメールを自動で返信する機能です。
購読者のアクションに対してレスポンスがあることで、読者に対して安心感を与えます。

3.メルマガ配信システム導入で押えておきたい5つのポイント

ここまででメルマガ配信システムの全体像はつかめてきたのではないでしょうか。
本章では、導入に向けて考慮しておきたいポイントを紹介します。

3.1.スパムメールとして排除されないか

メルマガ配信の仕組みによっては、スパムメールとして処理されやすい場合があります。
なぜかというと、原因はメルマガ配信システムが「共有サーバー」で運用されている場合に、メール受信者側のシステムが送信元のIPをスパムとして処理する場合があるからです。
メルマガ配信システムによっては、独自のIPとドメインでメール配信をおこなえるものもありますので、スパムとして排除されにくいメルマガ配信システムを選びましょう。

3.2.セキュリティがしっかりしていること

メルマガ配信システムは、メールアドレスという個人情報を取り扱うためセキュリティについても十分考慮しておく必要があります。考慮すべきポイントとしては以下です。

アクセス制限

IPアドレスやBasic認証によって、メルマガ配信システムに接続できる人と拠点を限定します。不正に利用されることのないように、ポリシーを決めて運用してきましょう。

SSL暗号化

現在では、ほぼ全てのメルマガ配信システムに採用されていますが、通信を暗号化してセキュアに安心して利用できるサービスを採用しましょう。

パスワード

ワンタイムパスワードや、二要素認証、細かいパスワードポリシーを設定できるシステムを採用し、万が一パスワードが外部に漏れてしまった場合に備えましょう。

操作ログの閲覧

いつだれがどういった操作をおこなったかをログとして残し、データの不正利用や改ざんに予防線を張っておきましょう。

3.3.製品サポートが充実していること

メルマガ配信システムに限らず、ITツールにおいて製品サポートの充実さもポイントとしてあげておきたい所です。製品の使い方や、トラブルが起きた時にサポート体制がしっかりしていると機転のきいた対処をすることができます。具体的なポイントとしては以下が挙げられます。

  • サポートはメールのみなのか電話もできるのか?
  • サポートの時間帯
  • サポートは無償なのか有償なのか?

3.4.配信速度、配信数は運用に耐えうるものか?

メルマガ配信開始初期の頃は問題になりませんが、将来的な会員数の増加に備えて考慮しておきたいのが、単位時間あたりのメールの配信速度と配信数です。おおよそ配信するメールが数千件を越えるような場合は考慮が必要と言えます。
製品によっては、クラウド環境において1時間あたり200万通を超えるメールを配信できるものもあります。

Webcas

参考:WEBCAS

3.5.製品連携(API)は実装されているか?

既に運用中のCRMシステムなどの顧客情報を利用してメルマガを配信したい場合など、重要になってくるのが連携のためのAPIが実装されているかどうかです。
APIを用いることで配信結果を用いてBIツールで分析するなど、さらなる活用の可能性が見えてきます。独自の作りこみは発生しますが、押さえておきたいポイントの一つです。

4.主なメルマガ配信システム

本章では、具体的な製品をいくつか元にして費用間を紹介します。

製品名

費用

製品タイプ

備考

ExpertMail

下記4プラン
1,970円/月
8,700円/月
19,700 円/月
24,700円/月

 

クラウド

・導入実績10,000社以上
・お試し期間30日間
・プランによっては占有サーバ

Combzmail

下記3プラン
2,300円/月
4,800円/月
9,800円/月

クラウド

・導入実績16,170社以上
共有サーバー

Benchmark

小規模プラン
1,500円/月から

中規模プラン
32,000円/月から

大規模プラン
62,500円/月から

クラウド

・導入実績は全世界で10万社以上
・無料トライアル可

Cuenote

クラウドプラン
5,000/月~

オンプレミスプラン
2,250,000円~

クラウド
オンプレミス

・無料体験あり
・導入実績900社以上
・アンケート機能なども搭載

 

クラウドプラン
下記4プラン
25,000円/月
50,000円/月
75,000円/月
100,000円/月~

オンプレミスプラン
問い合わせ

クラウド
オンプレミス
プライベートクラウド

・要件に応じて様々な製品タイプの提供あり

5.メルマガ配信システム導入の流れ

最後にメルマガ配信システム導入の流れを解説します。

STEP1 : スケジューリング

いつカットオーバーするのかを決め、そこから逆算してスケジューリングをしましょう。
フェーズとしては、要件定義、製品選定、リソース確保、構築、レビュー、運用開始が大まかな流れとなります。

STEP2:要件定義

理想とするメルマガの運用に必要な要件を、担当グループにて羅列しましょう。
例えば、メールテンプレートの必要有無やステップメールの必要有無、オンプレ/クラウドなど細かく要件定義していくことで製品に求める必要な機能が見えてきます。

STEP3:製品選定

要件を満たす製品を選びましょう。相場観を知るために、複数のベンダーに相見積もりを作成してもらうのも一つの手です。

STEP4:リソース確保

選んだ製品がクラウドサービスであれば人的リソースのみで事足りると思います。
オンプレミス製品の場合はそれに加え、運用するためのサーバーや、ネットワークなどが必要になります。

STEP5:構築

クラウドサービスであれば、運用ルールに沿った設定が必要になります。
企業によってメールテンプレートがある場合は、テンプレートをこのフェーズで作成してしまいましょう。オンプレミス製品であれば、手順書通りに構築しバックアップ構成も考慮しましょう。

STEP6:レビュー

要件どおりに設定ができているか、部内や担当グループでレビューをしましょう。自分では気づかなかったうっかりミスをここで潰しましょう。

STEP7:運用開始

いよいよ運用開始です。継続して良質なメルマガにブラッシュアップしていきましょう。
約1ヵ月から2ヵ月ですべてのステップをこなせる目安かと思います。
あまり運用開始まで時間をかけすぎてしまうと、導入の主担当者の熱量を下げかねないので、ある程度は運用しながら改善していくのが良いでしょう。

7.まとめ

この記事では、メルマガ配信システム導入に当たり、事前に知っておくべき情報をとことん詳しく解説しました。機能面、セキュリティ面、コスト面と網羅的に理解できたのではないでしょうか。この記事で学んだことを参考に、次はメルマガ配信システムの選定に進んで下さい。