レコメンデーションとは?WEB担当者が絶対に押えておくべき全知識

「ECサイトの売上を上げたい」「お客様の滞在時間を増やしたい」「平均ページビュー数を増やしたい!」など課題を持っているWEB担当者も多いのではないでしょうか?

レコメンデーションは、これらの課題にとても有効です。
ECサイトの売上を上げる、滞在時間を増やす、平均ページビューを増やすには、お客様目線に立ってお客様がショッピングを心から楽しめるようなサービスを提供していかなければなりません。時には、お客様が気づいていない「潜在的なニーズ」を喚起させてあげることも必要です。これらを解決するための取組みの1つがレコメンデーションです。

この記事では、レコメンデーションについて初心者でも分かるように優しく解説します。
これを読めば、自社のサイトにレコメンデーションを導入すべきか判断できるようになります。

1.レコメンデーションとは

レコメンデーションとは、ECサイトに訪れたお客様にそのお客様の好みにあった商品や関連商品などをおすすめし、よりショッピングを楽しんでもらうための取組みです。「レコメンド」とも呼ばれています。
まずはレコメンデーションを一躍流行させてAmazonの事例を見てみましょう。

あたなへのおすすめ

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よく一緒に購入されている商品

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この商品を買った人はこんな商品も買っています

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実店舗では、そのお客様の好みにあいそうな商品や一緒に買われることの多い商品を店員さんがお店の方針や経験に沿ってお客様におすすめします。
これをECサイト上で自動的にやってしまおうというのがレコメンデーションです。
Amazonはこのレコメンデーションをいち早く取り入れて成長したと言われています。

2.レコメンデーションのメリット

2.1.サイト運営者のメリット

お客様一人あたりの同時購買品数の向上

お客様が見ている商品に関連する別の商品を紹介することで同時購買品数の向上が見込めます。
例えば、実際のお店で洋服を買う際に「このバッグを合わせるとかわいいですよ」とすすめられ、「この服に合うバッグなかったな~」とニーズ喚起されて買ってしまうのと同じ原理です。
マーケティング用語で「クロスセル」と言います。

購入金額の向上

お客様が見ている商品のより上位(価格が高い)の商品を紹介することで、購入金額の向上が見込めます。
例えば、実際のお店でアクセサリーを買う際に「こちらの商品もおすすめですよ」と見ている商品より高く魅力的な商品をすすめられ、「どうせ買うなら良い物が欲しい」と購買意欲が高まって買ってしまうのと同じ原理です。マーケティング用語で「アップセル」と言います。

2.2.お客様のメリット

関連商品を簡単に見つけられる

ECサイトの良いところは、実店舗と違い広さ(面積)の制約がないためとても多くの商品を扱うことができることです。その反面、お客様は商品が多すぎて欲しいものにたどり着けない・選べないといった不都合も出てきてしまいました。こられの問題を解決しお客様が気持ちよくECサイトでショッピングできるようにしたのがレコメンデーションです。

実店舗と同じようにショッピングを楽しめる

男性は目的買い、女性は目的がなくても何か良いものないかな~と買うまでのプロセスを楽しむと言われています。レコメンデーションの登場により、ECサイトでもショッピングモールでウィンドウショッピングするような感覚で様々な商品を簡単に見て楽しめるようになりました。

このようにレコメンデーションをうまく活用すれば、実店舗と同じようにお店に滞在してもらえる時間を増やし(月間ページビュー数の上昇)、そしてお客様に楽しくショッピングしてもらうことで売上を向上させることができます。

3.レコメンデーションの種類

3.1.似た商品を紹介する「アイテムベース」

お客様が見ている商品に近い商品を「こちらもおすすめ」や「関連商品」という形で紹介するレコメンデーションを「アイテムベース」や「コンテンツマッチ」と言います。下図はZOZO TOWNの例です。

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3.2.購買履歴が似ている人が買った商品を紹介する「協調フィルタリング」

お客様と似た購買行動をしている他のお客様が買った商品を「他の人はこんな商品を買っています」や「このアイテムを見ている人におすすめ」という形で紹介するレコメンデーションを「協調フィルタリング」や「ユーザーベース」と言います。こちらもZOZO TOWNの例です。

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4.導入する前に知っておくべき4つのポイント

4.1.費用

お店もお客様もどちらも幸せになれるレコメンデーションですが、自社のサイトでレコメンデーションを行うには「レコメンドエンジン(レコメンドシステム)」の導入が必要です。
レコメンドエンジンを導入するにはそれなりの費用が掛かります。低価格から利用できるシンプルなものから、高機能製品まで幅広くあります。

〈レコメンドエンジン費用比較表〉

製品名

初期費用

月額費用

製品タイプ

コンビーズレコ

0円~

0円~

ASP

おてがるレコメンド

32,400円

21,600円~

ASP

アールトースター

200,000円

150,000円

ASP

チームラボレコメンデーション

500,000円

100,000円

ASP

パーソナライズド・レコメンダー

200,000円

150,000円

ASP

以下の記事でサイト規模や費用別に様々なレコメンドエンジンをプロの目線から徹底的に比較しています。レコメンドエンジンの製品について知りたい方はこちらの記事もご参照下さい。

これなら選べる!規模別・価格別レコメンドエンジン徹底比較

4.2.どんなサイトでも導入できるわけではない

「Base」や「STORES」、「ショップサーブ」などの月額費用が0円から数万円のネットショップ運営ツールには、レコメンデーション機能は基本的についていません。ネットショップ運営ツールの仕組みが公開されていないため良いレコメンドエンジンを見つけても導入できない事も多いです。

そのため、自社で1から作成したECサイトや中規模以上のECサイトを対象としたCMSで作成されたECサイトがレコメンドエンジンの導入対象となるでしょう。ただし、自社で1から作成したECサイトや中規模以上のECサイトであってもすべてのECサイトに導入できるわけではありません。選択したレコメンドエンジンの仕様によって異なります。レコメンドエンジンのメーカーにECサイトを調査してもらい、導入可能か判断してもらう必要があります。

4.3.導入には1ヶ月程度掛かる

レコメンドエンジンは比較的短期間で導入が可能ですが、事前に導入したいサイトの構造などをレコメンドエンジンメーカーに調査してもらう必要などがあり1ヶ月程度は掛かってしまいます。ですので、セール時期などに合わせて導入したい方はセール時期の2ヶ月前にはレコメンドメーカーに問合せておく必要があります。
導入の流れについては「【徹底解説】レコメンドエンジン-WEB担当が押えておくべき全知識-」で解説していますので、より詳しく知りたい方こちらの記事もご参照下さい。

4.4.成功には戦略が不可欠

レコメンデーションは、良いレコメンドエンジンを導入したからといって簡単に成功するものではありません。しっかり戦略を練り、実行していくことが重要です。

たとえば、「関連商品」などのアイテムベースのレコメンデーションを行う場合、どんな商品を関連アイテムとして紹介するかによって売上が大きく変わります。お客様が見ている商品が「テーブル」なのに関連性が低い「ベッド」を表示しても効果は低いでしょう。「テーブル」であれば「椅子」やテーブルの下にひく「カーペット」などお客様の購買行動を考え商品カテゴリ別に戦略を立てると良いでしょう。

同じカテゴリで別の商品を紹介するのか、別のカテゴリだが一緒に使える商品を紹介するのかなども考える必要があります。また、「戦略」という言葉にとらわれすぎずに「お客様が他に必要としているものは何だろう」「お客様に何を提案したら喜ばれるだろう」という視点で考えることも重要です。

5.まとめ

この記事ではどこよりも分かりやすくレコメンデーションについて解説してきました。レコメンデーション全体の理解がだいぶ進んだのではないでしょうか?この記事ではECサイト向けに解説してきましたが、レコメンデーションはニュースサイトやポータルサイトでも活用できます。

今やレコメンデーションは様々なサイトに欠かせません。費用面などの問題から小規模のサイトでは導入が難しいという現実がありますが、導入できる規模のサイトであれば積極的に導入した方が良いでしょう。

レコメンドエンジンは多くの製品が登場し、本記事で紹介していない様々な機能も持っています。導入する前に「レコメンドエンジン」の理解を深めることが必要です。次は「レコメンドエンジン」について理解を深めましょう。