【徹底解説】どこよりも詳しい基幹システムのすべて

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この記事では、これから基幹システムを導入したい方や基幹システムについて詳しく知りたい方向けに、基幹システムを活用する上で知っておくべき情報を初心者でも分かりやすいよう優しく解説します。

基幹システムは、企業の業務活動を支える重要なシステムです。基本を押さえていないために選定や導入失敗になってしまわないようこの記事を通してしっかり基本を押さえて下さい。
この記事を読めば基幹システムの全体像を理解し導入すべきか判断材料にする事ができます。

1.基幹システムとは

1.1.基幹システムの概要

基幹システムとは、「販売管理」「在庫管理」「会計」など企業がビジネスを遂行するために必須である業務を効率化ためのシステムです。「基幹」という言葉が分かりづらくしていますが、受発注管理や販売管理、生産管理、在庫管理、会計業務を行うためのシステムと理解して良いでしょう。

基幹システムはいろいろありますが、多くは「販売管理」「購買管理」「在庫管理」がセットになったものです。「生産管理」や「会計」までシステムで行いたい場合は別途「生産管理システム」「会計システム」を導入します。基幹業務に必要なシステムが1つのシステムで完結しない点がERPとの違いです。

1.2.基幹システムの3つのメリット

ここでは基幹システムを導入することにより得られるメリットを解説します。

メリット1:業務の効率化

基幹システムを導入することで、業務を大幅に効率化させることができます。
例えば、商品を仕入れた場合、在庫の計上と買掛金の計上が必要になりますが基幹システムがあれば自動で在庫計上と買掛金計上を行ってくれます。これはほんの一例ですが、今まで1つ1つ手動で行っていが業務が半自動化され業務の効率化につながります。また、自動処理してくれるため、計算ミスなど人為的なミスを削減する効果もあります。どのような機能があるかは「1.3.基幹システムの主な機能」で詳しく解説します。

メリット2:業務の標準化

基幹システムで、業務の順番やデータの入力、管理方法が統一されることで業務を標準化することができます。例えば、システムがない場合仕入工程で管理すべき情報の管理が属人化され、人によって業務品質に大きな差が生まれてしまう事が多くあります。基幹システムを入れることで属人化を防ぎ業務を標準化することができます。

ただし、導入するだけで簡単に標準化されるわけではありません。導入時に業務フローをしっかり整理し、どのようにシステムを使って業務を行うのかしっかり教育し定着化させる必要があります。

メリット3:経営情報の可視化・スピードアップ

基幹システムを使うことで、経営に必要な情報を可視化することができます。
例えば、経営層がリアルタイムに全社の売上や債務状況を見たり、マネージャ層や現場が瞬時に在庫状況を把握したりすることができます。瞬時に最新情報を得る事で素早い経営判断につなげることができます。

基幹システムの良いところは、現場業務を効率化するだけでなく経営に必要な数値データが一元的に管理され、瞬時に取り出せる事です。基幹システムがない場合、仕入部門や営業部門など部門ごとにデータを集計してもらいレポート化してもらわなければなりません。営業部門だけで複数あるような企業にとっては大変な業務です。

1.3.基幹システムの主な機能

ここではそれぞれの機能について詳しく解説します。基幹システムを活用することでどれ位効果があるかは企業により異なります。各機能を理解することで業務がどれ位効率化されるか見えてきます。

販売管理機能

大分類

中分類

詳細

見積管理

見積入力

見積情報を入力する機能。BtoBを行っている企業が主に使う機能です。

見積書印刷

入力した見積情報を印刷またはExcel出力する機能

見積検索

見積情報を検索し一覧表示する機能

受注管理

受注入力

受注情報を入力する機能。見積情報をもとに自動で受注情報を作成してくれるシステムもあります。BtoBを行っている企業が主に使う機能です。

注文請け書印刷

入力した受注情報から注文請け書を印刷またはExcel出力する機能

受注検索

入力した受注情報を検索し一覧で表示する機能。受注ステータスを登録できるシステムもあり、進捗を一覧で確認できます。

受注一覧印刷

受注の一覧を印刷またはExcel出力する機能

受注データ取込

ExcelまたはCSVから受注データを取り込む機能

売上管理

売上入力

売上情報を入力する機能。BtoBを行っている企業が主に使う機能です。掛売りであれば売掛金情報も自動作成されます。BtoCであれば通常POSシステムから売上を自動連携させるため売上入力は不要です。

売上検索

売上情報を検索し一覧で表示する機能

売上集計

売上情報を集計して表示する機能

売上データ取込

ExcelまたはCSVから売上データを取り込む機能

売上データ出力

ExcelまたはCSVに売上データを出力する機能

売掛管理

請求締処理

請求金額を確定する機能。債権データは受注データ作成時に通常自動で作成されるシステムがほとんどです。

請求書印刷

売上データをもとに請求書を印刷またはExcel出力する機能

入金処理

入金登録し債権の明細消し込みを行う機能

債権検索

未回収の債権データを検索し一覧表示する機能。実績も検索可能。

購買管理機能

大分類

中分類

詳細

発注管理

発注入力

発注情報を入力する機能

注文書印刷

入力した発注情報を注文書として印刷またはExcel出力する機能

発注検索

発注情報を検索し一覧で表示する機能

仕入管理

仕入予定入力

仕入予定情報を入力する機能。発注情報をもとに自動作成してくれるシステムも多くあります。

仕入予定出力

仕入予定を印刷またはExcel・CSVに出力する機能
倉庫を持っている企業はこの機能を使い倉庫に入荷予定を連絡する。仕入量が多い会社は通常倉庫のシステムと自動連携します。

仕入検索

仕入情報を検索し一覧で表示する機能

仕入確定

仕入確定し在庫計上する機能。この時買掛金データも自動作成します。

仕入取込

ExcelまたはCSVで仕入データを取り込む機能。この時在庫計上と買掛金データを自動で行います。仕入量が多い会社は通常倉庫のシステムと自動連携します。

出荷管理

振分

仕入予定または在庫をもとに出荷先ごとに商品と出荷数を振り分ける機能。出荷先ごとに重みをつけて、重み順に振分けるなど便利なシステムが多くあります。

出荷指示入力

出荷指示を入力する機能。振分データをもとに自動で出荷指示を作ってくれるシステムも多くあります。倉庫から顧客・店舗への出荷、店舗間での出荷(移動)を行います。

出荷確定

入力した出荷指示を確定する機能。確定すると出荷元から在庫が引き落とされ積送中になります。

出荷指示出力

確定した出荷指示を印刷またはExcel・CSVで出力する機能
倉庫を持っている企業はこの機能を使い倉庫に出荷指示します。
出荷量が多い会社は通常出荷確定時に倉庫のシステムと自動連携します。

入荷

入荷予定

入荷予定を確認する機能。主に店舗や本部が使います。

入荷実績入力

入荷実績を登録する機能。予定と差分があった際は実績計上できるものと予定数計上しかできないものがあります。

入荷確定

入荷を確定させ、在庫計上する機能

入荷検品取込

入荷検品したデータを取込む機能。取込むと入荷実績を自動で作成してくれます。

買掛管理

債務検索

未払いの債務データを検索し一覧表示する機能。実績も検索可能。

支払依頼

債務の支払依頼をする機能。通常仕入計上時に自動で債務データが作成されます。

支払処理

支払が済んだ伝票の消し込みを行う機能

在庫管理機能

大分類

中分類

詳細

在庫検索

在庫検索

在庫情報を検索し一覧表示する機能

受払い検索

商品別、店舗別に商品の受払い履歴を検索・表示する機能

在庫一覧出力

在庫一覧を印刷またはExcel・CSVで出力する機能

棚卸

棚卸

店舗を指定して棚卸を開始する機能

棚卸入力

棚卸結果を入力する機能。バーコードリーダーと連携することもできます。

棚卸実績取込

ハンディターミナルでスキャンした棚卸実績を取込む機能。商品数が多い店舗は実績を取込んでしまうケースが多いです。

棚卸確定

棚卸実績を確定し、棚卸実績で在庫を更新する機能。

在庫調整

在庫調整

在庫数を加減算する機能。実在庫数とシステムの在庫数に差異が発生した際に正しい在庫数に更新するために使います。調整理由の登録も行います。

償却

在庫を償却する機能。売れ残りを処分する際などに使用します。

ここでは基幹システムの一般的な機能について詳しく解説してきました。基幹システムにはとても多くの機能があり、上記を読んだだけではどの位業務が効率化されるか分からない企業もあるでしょう。そういう企業は自社の業務フローを作成し、課題となっている業務を明確にした上で読むとより理解が進みます。

1.4.基幹システムの導入事例

メーカーズシャツ鎌倉

鎌倉シャツ

 品質にこだわり多くの人気を集めているメーカーズシャツ鎌倉は、店舗の増加に伴い発生した様々な課題を解決するために基幹システムの刷新を行いました。

主な課題

  • 手書きの売上報告がFAXで送られてくるため、売上集計・計上処理の業務負荷が高い
  • 店舗の在庫や売れ筋情報を瞬時に簡単に取得できないため、仕入業務が属人化し業務負荷が高い

アプローチ

  • 基幹システムとPOSシステムを同時に導入
  • 商品にバーコードを貼り単品管理可能とした

主な効果

  • 売上や仕入など各業務のコスト削減につながった
  • 売上や在庫など経営判断に必要な情報がリアルタイムで集計され分析可能となり経営判断に活かせるようになった
  • スピーディに経営判断できるようになり「細かく・無駄なく・効率よく」商品を仕入れることができるようになった

このように基幹システムを導入することにより、現場業務の効率化だけでなく仕入業務の最適化など様々な効果を得る事ができます。また、同じ基幹システムでも対象としている企業規模によって備えている機能が異なります。企業規模が大きくなった際はより業務を自動化できるよう、機能が多い上位の基幹システムへの刷新が必要です。

2.基幹システムを導入する前に知っておくべき3つのポイント

ここまで基幹システムの概要について詳しく解説してきました。ここでは基幹システムを導入する前に知っておくべきポイントを解説します。この章を読み導入についての知識を深めて下さい。

2.1.中小企業でも導入できる!

基幹システムの導入は大企業が中心で中小企業への導入率はまだ30%未満と言われています。
しかし、近年安価な基幹システムやクラウド型の基幹システムも登場し中小企業でも基幹システムを導入する企業が増えています。

個店の場合、基幹システムは機能がありすぎて逆に使いこなす方が難しいケースがあります。近年タブレットPOSに簡単な基幹システムの機能を持っている製品が多く登場しています。個店はタブレット基幹システムの機能を持っているタブレットPOSを活用すると良いでしょう。
タブレットPOSについては以下の記事で詳しく解説しています。合せて読むとより理解が進みます。

導入可能か判断できる!5分で読めるタブレットPOSの全て
費用と機能を徹底比較!プロが選ぶおすすめタブレットPOS

今後IT化が進む社会で生き残っていくには、何も生まない無駄な業務を最小化し、コスト削減や売上拡大につながる業務に時間を注げる組織にする必要があります。中小企業こそ積極的に経営にITを取入れて生産性の向上を図りましょう。

2.2.製品タイプと費用

オンプレミス型

自社でサーバーを購入し、サーバーに基幹システムをインストールして使用するたタイプの製品です。基幹システムはまだまだオンプレミス型の製品が多いのが実情です。サーバーの購入からデータセンターへの設置・運用まで行ってくれるメーカーがほとんどのため、中小企業でもオンプレミス型で導入可能です。

  • 良い点
    自社の業務に合せて機能をカスタマイズできる製品がほとんどのため、独自業務に合せてシステムを使うことができます。
  • 悪い点
    クラウド型に比べて初期費用が多くかかります。また、サーバー購入が必要なため、機器が老朽化する5年程度でシステムの刷新が必要になります。
  • 費用
    初期費用:1,000万~
    月額費用:数万円~

クラウド型

インターネット経由で基幹システムを使うタイプの製品です。インターネット回線を引いている企業であればどの企業でも利用可能です。会計システムや人事システムなどはクラウド型製品が多く出ていますが、基幹システムはまだまだ少ないです。

  • 良い点
    サーバーの購入が不要で、初期費用を抑えてすぐにシステムを使い始めることが可能です。
  • 悪い点
    クラウド型のため、機能カスタマイズできない製品がほとんどです。そのためシステムに業務をあわせる必要があり、現場がシステムに慣れるのに時間が掛かる可能性があります。
  • 費用
    初期費用:0円~
    月額費用:1万円~

このようにオンプレミス型、クラウド型双方にメリット・デメリットがあり、どちらのタイプが合っているかは企業によって異なります。カスタマイズしたいのであればオンプレミス型、とにかく安く・早く導入したいのであればクラウド型を選定すると良いでしょう。

2.3.基幹システム導入の流れ

ステップ1:導入目的など要件を整理する

基幹システムは、企業の重要な業務を担うシステムです。果を最大化するには、導入目的やゴールなど要件を明確にすることが重要です。要件を明確にしておかないと導入後に以前より生産性が悪化しコスト増につながるというケースが多くあります。売上が数千万~数億規模の企業でも最低限要件はまとめて下さい。売上が10億を超える企業であれば、ITコンサルタントに入ってもらい要件を整理してもらうと良いでしょう。

ステップ2:提案依頼書の作成と提案依頼

売上高数十億以上の会社ではITメーカーに最適な提案してもらうためのRFPという提案依頼書を作るケースがほとんどです。中小企業でも作ることが望ましいですが、専門知識を必要とするためIT経験者でないと難しいです。その場合、最低限パワーポイントやExcelで課題や要件を整理してから提案依頼するとより精度の高い提案をもらえるようになります。あいまいな要件だと見積金額も高くなるのでしっかり準備しましょう。

ステップ3:システムの選定

各メーカーの提案が出揃ったら提案内容を整理し自社の要件にマッチしているか評価します。評価する主なポイントとしては以下になります。

  • 機能
  • スケジュール
  • 費用
  • 契約内容、支払条件
  • システム的な誓約
  • 会社情報(実績や会社規模)
  • プロジェクトマネージャー(経験豊富か)

ステップ4:導入

従業員100人未満の中小企業の場合、システム担当者がいない企業も多く、ITメーカー主導でシステム導入するケースがほとんどです。実績が多く信頼できる会社であればそれで良いですが、価格重視で選んだ場合は注意が必要です。システム導入経験者が社内にいない場合は、外部から第三者としてシステム導入を支援してくれるPMOを雇うと良いでしょう。

2.4.導入に必要な期間

従業員数や売上規模にもよりますが、カスタマイズ可能な製品であればノンカスタマイズで最低3ヶ月、カスタマイズすると通常6ヶ月以上は導入期間が掛かります。大きい企業になれば1年以上掛かる事も稀ではありません。「flam」や「弥生販売」などカスタマイズ不可でかつ小規模企業向け製品であれば1~2週間で導入可能です。

2.5.業界特化型の基幹システム

基幹システムはどの業種でも使える汎用的な製品から各業界に特化した製品まで幅広くあります。「小売業」か「保険業」かなど業種によって業務が異なるため当然ですね。また、同じ小売業でも「飲食」か「アパレル」かなどによっても異なります。いろいろな業種向けの製品があるため幅広く見ると良いでしょう。

3.主な基幹システム製品

ここでは中小企業向けの汎用的な主な基幹システムを紹介します。選定する際の参考にして下さい。

製品名

製品タイプ

向いている企業

費用

flam

クラウド

小規模企業

49,800円~/月

弥生販売

オンプレミス

小規模企業

初期費用:10万円~

商奉行i10

クラウド・オンプレミス

中小企業

初期費用:数百万~

GLOVIA smart きらら

オンプレミス

中小企業

初期費用:150万~

N-town

クラウド

中小企業~中堅企業

10,000円/1ID/月

flam

まだ新しい製品ですが近年注目を得始めている製品ですが、業務システムながら洗練されたビジュアルの製品です。初心者でも使いやすいようユーザビリティにもこだわっています。また、iPadやWindowsタブレットAndroidタブレットでも動く画期的な製品です。機能追加も早いため将来が期待できます。ただし、機能的にはまだまだ弱いので小規模企業でかつコストを抑えて使いたい企業に良いでしょう。

弥生販売

「弥生会計」で有名な弥生が提供している製品です。各PCにインストールして使います。個店や小規模企業を対象としている製品ですが、「購買管理」「販売管理」「在庫管理」の機能を持っています。小規模の企業がコストを抑えて使い始める際に良いでしょう。

商奉行i10

「勘定奉行」で有名なオービックが提供している製品です。
古くから基幹システムを提供している会社だけあって多くの機能を備えています。中小企業向けのシステムですが、機能的に売上高数億円~数十億円規模の会社向きの製品です。AWSなどクラウドサーバでの利用も可能ですがサーバー費用は導入企業側負担になるためクラウド型とはいえそこそこ費用がかかります。機能重視の会社におすすめの製品です。

GLOVIA smart きらら

富士通が提供する中小企業向けの製品です。オンプレミス型のため、企業の要件に合せてカスタマイズが可能です。また、系列商品で会計システムもあるため会計システムも同時に入れたい企業に良いでしょう。自社の要件に合せてカスタマイズし、かつ会計システムも導入したい企業におすすめの製品です。

n-town

NECが提供する中小企業向けのクラウド型の製品です。NECも古くから基幹システムを提供しており、とても信頼性の高い製品です。売上高5億円程度~数十億円規模の会社まで耐えられる製品です。また、いち早くクラウド型でかつID単位で課金するモデルを取り入れているためかなりコストメリットが大きい製品です。コストを抑えて導入したい企業に向いています。

ここでは汎用的な主な基幹システムを紹介しました。業界特化型や各製品の詳しい比較は別記事で解説します。

4.まとめ

この記事では、基幹システムを導入する際に必要な知識を丁寧にそして詳しく解説してきました。基幹システムに関しての知識がかなり深まったのではないでしょうか。
次は自社の要件や課題をしっかり整理してからシステムの選定に進んで下さい。

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