ビジネスで活用できる無料クラウドストレージの特徴・メリット・デメリットを解説

クラウドサービスの浸透が進む中、無料で使えるクラウドストレージが増えています。導入・維持コストがほとんどかからないうえに、情報共有・伝達コストの低減、セキュリティ向上が期待できるため、ビジネス利用を検討している方も少なくないでしょう。ここでは、無料クラウドストレージの特徴やメリット・デメリット、ビジネスユースに耐えうる無料プランなどを解説します。

1.無料ストレージの特徴・メリット・デメリット

まず、無料クラウドストレージの特徴・メリット・デメリットを解説します。

○特徴

・クラウドサービスとして提供されるオンラインストレージ

・容量は5GB~10GBが主流

・個人利用、もしくは期間限定の利用前提としたサービスが多い

・別途、複数の有料プランが設けられており、容量やユーザ数、機能が増えていく

○メリット

・アカウント開設以外の手間がかからず、初期コスト(お金、時間、人手など)が不要である

・物理的デバイス(USBメモリやSDカードなど)に比べ、単純なデータの保管庫として使い勝手が良い

・ネットワークに接続できる環境ならば、時間や場所を問わず利用でき、アクセシビリティが高い

○デメリット

  • 使用可能なデータ容量が小さく、本格的な「データ保管庫」としての利用は難しい
  • プランによっては、1ファイルあたりの転送容量が小さく、使い勝手が悪い
  • サポートが簡素、もしくはサポートそのものが無い場合がある
  • 共同編集やオンラインワークスペースなど「コラボレーション機能」に乏しい
  • 最大ユーザ数に制限がある(3人から10人程度)
  • カスタマイズ性が低い

無料クラウドストレージサービスの多くは、コスト面やアクセシビリティの観点から非常に優秀です。しかし、細かい権限管理がなかったり、他者との共同作業に必要な機能が乏しかったりと、ビジネスユースでは機能不足を感じるかもしれません。ただし、無料プランとは別にビジネスユースを想定した有料プランを設けているサービスも数多く存在しています。

2.ビジネスシーンで利用可能な無料ストレージ

では、無料プランとは別に有料プランを設けている無料クラウドストレージを紹介します。今回は、法人のビジネスユースを前提とした無料クラウドストレージに焦点をあて、特徴やプランなどを見ていきましょう。

○セキュアSAMBA

https://securesamba.com/

●無料プラン詳細

  • 無料プラン(トライアル)…最大2週間/容量20GB

●特徴

用途や環境に応じて複数のアクセス方法(ソフトウェア、ブラウザ、専用ルーターを介したVPN接続、モバイルデバイス用アプリ)を用意していることが特徴です。有料プランでは、最大1TB/ユーザ数無制限まで拡大可能です。

○セキュアSAMBA PRO

https://securesamba.com/product/sambapro/

●無料プラン詳細

  • 無料プラン(トライアル)あり
  • スタンダードプラン…容量250GB、ユーザ数5人、初期費用50000円、月額費用12500円

●特徴

セキュアSAMBAのセキュリティ強化版ですアプリケーション制御、個人PCへのデータ保存禁止機能、バージョン管理機能、アクセス権限設定などが充実しています。情報漏洩や外部からの不正アクセス対策を強化しつつ、テレワークや情報共有を推進したい企業におすすめです。

KDDIファイルストレージ

https://www.kddi.com/business/cloud/service/file-storage/

●無料プラン詳細

  • 無料プラン(トライアル)…最大30日/容量10GB
  • ID単位コース…容量10GB/1ID、初期費用無料、月額費用300円/1ID

●特徴

1IDあたりの容量でプランが分かれていることが特徴です。有料プランでは、最大ID数1000、1IDあたりの容量100GBまで拡大可能です。また一般的なセキュリティ機能のほかに、端末保存ファイルを一定時間経過後に削除する「時限削除機能」を用意しています。

BOX(ただし無料プランは個人ユーザのみ)

https://www.box.com/ja-jp/pricing/individual

●無料プラン詳細

  • Individualプラン(個人向けプラン)…容量10GB/期間制限なし、初期費用無料、月額費用無料、/アップロード制限あり(250MB/1ファイル)

●特徴

無料プランは個人向けのみに限定されています。ただし、容量10GBまでの範囲であれば、期間の制限はありません。法人向けプランは4段階に分類されており、容量は100GB~無制限です。さらに、コラボレーション機能やセキュリティ機能が強化された上位プランも用意されています。

Bizストレージファイルシェア(無料トライアル、お手軽導入プランあり

https://www.ntt.com/business/services/application/online-storage/bst-sh.html

●プラン詳細

  • お手軽導入プラン…容量1GB、初期費用無料、月額基本料金15000円、利用開始付きの解約料なし

●オンラインお申し込み

1GB:https://www.b-order.ntt.com/shop/g/gS002/

2GB:https://www.b-order.ntt.com/shop/g/gs006/

●特徴

クラウドストレージとファイル転送を組み合わせたサービスで、有料プランでは最大1TBまで容量を拡大できます。Webブラウザベースで最大2GBのファイルをやり取りできるほか、最大1万人で利用可能です。また、国内最大の通信事業者であるNTTグループならではの可用性(99.955%)、バックボーンの強さも注目です。無料プランが設けられているクラウドストレージの中では、安定性・可用性ともに国内有数のサービスと言えます。

3. 無料ストレージ利用は「選定のステップ」

ビジネスユース前提で考えると、いかに優秀なクラウドストレージサービスであっても、「無料プラン」で対応し続けるのは難しいでしょう。単にファイルを預けるだけならば、無料プランで事足りるかもしれません。しかし、いずれは有料プランへの移行を検討すべきでしょう。その理由は、主に以下2つです。

○スムーズかつセキュアなコミュニケーションが担保されない

個人利用とのビジネスユースとの大きな違いは、「他者との連携」部分にあると言えます。ビジネスユースでは、機密文書の素早いやり取りや部署内での情報共有など、データを使ったコミュニケーションが頻繁に発生します。これを支えるのは、サービスダウンせずに安定稼働し続け、なおかつ高いセキュリティを確保できる環境です。したがって、有料プランで担保されている「セキュリティ」「カスタマイズ性」「安定性」「可用性」が重要になってくるわけです。

○非常時のデータ保管庫としては小さい

クラウドストレージをDRやBCP対策として考えた場合、無料プランでは明らかに容量不足です。企業内に存在する業務用データを保管する倉庫として、無料プラン(容量5GB~10GB)は心許ないはずです。有料プラン移行後、500GB~容量無制限まで容量を拡大できるサービスが好ましいでしょう。

以上の理由から、ビジネスユースでの無料クラウドストレージは、あくまでも「最適なソリューションを選定するステップ」として認識したいところです。

まとめ

ここでは、ビジネスユースという前提の下に、無料クラウドストレージを紹介してきました。無料クラウドストレージは、初期コストが不要であり、手軽に導入できることが強みです。ただし、本格的なビジネス利用では、容量・機能・可用性などを考慮し、有料プランへの移行を含めた選定をおすすめします。適切に導入すれば、ビジネスシーンに様々なメリットをもたらすソリューションだけに、選定は慎重に行うべきでしょう。まずは無料プランを提供しているベンダーに問い合わせ、試験的に導入してみてはいかがでしょうか。