リースとレンタルの違いをきちんと理解していますか?
ビジネスでは、高額なシステムや機械などの調達が必要な場面が良くあります。
そのような時に良く使われる契約形態がリース契約とレンタル契約です。
どちらも良く使われる契約形態ですが、
- いまいち違いが良く分からない
- 発注する立場なので今さら人に聞きずらい
- どちらの契約形態を選べば良いか分からない
このようなお悩みを持っている方が多いのではないでしょうか。
レンタルとリースはまったく異なる契約形態です。契約中に機器が壊れた時の責任も180度違います。しっかりとレンタル契約とリース契約について理解して契約を選ばなければなりません。
そこでこの記事では、IT部門で数百万から数千万円のIT機器の調達をやってきた筆者が、リースとレンタルの違いを理解し、どちらの契約形態で調達すべきか判断できるよう1ページにまとめました。たった数分で読む事ができます。この記事を参考に貴社に最適な方法で調達をして下さい。
Contents
1.リースとレンタルの違い(ひと目で分かる比較表)
リースとレンタルの違いをひと目で分かるよう比較表にまとめました。
リース契約 | レンタル契約 | |
対象 | ユーザー指定のIT機器 | レンタル会社の在庫内のIT機器 |
IT機器の所有権 | リース会社 | レンタル会社 |
契約期間 | 比較的長期(数年~) | 比較的短期(数ヶ月~) |
料金 | IT機器価格×リース料率 | 一定の料金設定 |
中途解約 | 原則不可(違約金発生) | 原則不可 |
保守・修繕義務 | 契約者(IT機器を使う企業側) | レンタル会社 |
瑕疵・担保責任 | 契約者(IT機器を使う企業側) | レンタル会社 |
契約期間終了後 | 返還または再リース | 返還 |
一見似ているイメージに思われるリース契約とレンタル契約ですが、実はまったく異なる契約形態です。次の章からは、リース契約とレンタル契約の概要やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
2.リース契約
2.1.リース契約とは
リース契約とは以下のように定義された契約方法です。
「機械などの物品を利用者に代わってリース会社が購入し、利用者に一定期間有料で貸し出すことを内容とする契約。主に、高額な機械(産業機械、工作機械など)やパソコンなどの情報通信機器といった、技術進歩の速い機械の導入に利用される。」
IT機器だけでなくソフトウェアやシステム開発費用にも使うことができ、多くの企業で活用されている契約方法です。
2.2.リース契約のメリット
- 購入費用が不要(初期費用を抑えられる)
リース会社が代わりに購入してくれるため購入費用なしで調達することができます。利用するにあたり担保も不要で、指定した物品をリースすることが可能です。
- 経費計上できる
リース費用は「費用」として経費に計上されるというメリットがあります。サーバーなど高価なIT機器を購入した場合は資産計上され固定資産税の対象となり税金が掛かりますが、リースの場合は経費に計上され固定資産税の対象となりません。
2.3.リース契約のデメリット
- 現金購入時より総額は割高になる
リース契約はリース会社が代わりに購入してくれる便利なものですが、その分マージンが乗った「リース料」を支払わなければなりません。よって、初期費用は不要になりますが発生する費用の総額は一括購入時より高くなります。
- 購入物の所有権はリース会社にある
購入物の所有権はリース会社にあるため契約内容に従った利用しかできません。しかも、リース期間が満了しても所有権はリース会社から移転しません。
- 中途解約が難しい
リース契約は一般的に中途解約できません。中途解約可能な場合もあるますがその場合、未払いのリース料や解約料(損害金)が発生します。購入費用をリース会社が持ってくれるため便利なリース契約ですが、中途解約するとさらに割高になるため注意が必要です。
- 修理費用は負担しなければならない
リースで取得した物品が故障した場合、物品はリース会社の資産であるにもかかわらず修理費用はリース利用者側負担となります。よってリース取得する物品が故障が多い製品でないか事前に確認が必要です。
3.レンタル契約とは
3.1.レンタル契約とは
レンタル契約とは、レンタル会社が保有している資産をレンタル料を支払うことで使用することができる契約です。業務用PCのレンタルなど多くの企業で幅広く活用されています。主に以下のIT機器をレンタル契約で調達することができます。
- パソコン
- 携帯電話
- タブレット端末
- ハンディターミナル
- POSレジ
- サーバー
- PC周辺機器 など
3.2.レンタル契約のメリット
- 初期費用を抑えることができる
購入すれば数万円はするパソコンなどを月額費用数千円から使用することができ初期費用を抑えることができます。
- 経費計上できる
リース契約と同じく経費計上することができるため、固定資産税を削減することができます。
- 中途解約できる
リース契約と異なりレンタル契約では中途解約が可能です。解約手数料も低いため使いやすいサービスです。
- 故障時に修理費用が掛からない
レンタル契約の場合、通常使用による故障はレンタル会社負担で交換または修理してくれます。自社で購入した場合は修理費用の発生や修理時間が必要ですが、レンタル契約では基本的に無料でかつ即交換してくれるためメリットが大きいといえます。
3.3.レンタル契約のデメリット
- レンタル会社保有の資産からしかレンタルすることができない
レンタル会社保有の資産からしかレンタルできないため、欲しい物品をレンタル提供している会社がなければレンタル契約で調達することができません。そのため型番など選択肢は広くありません。
- 現金購入時より総額は割高になる
いろいろメリットが多いレンタル契約ですが、現金購入時より総額は割高になります。
例えば、業務での使用に耐えられるスペックのPCをレンタルすると1台1ヶ月あたり1万円程度必要です。そのため、10ヶ月程度レンタルすると現金購入時より割高になります。
4.まとめ
この記事では、リース契約とレンタル契約の違いについて詳しく解説してきました。リース契約もレンタル契約も高額なIT機器の調達初期コストを抑える事ができる便利な契約です。一方で、トータルコストが高くなったり、払い終わっても所有権を得る事ができないなどの特徴も持っています。
各契約形態のメリット・デメリットはこの記事で解説したとおりです。どちらの契約で調達すべきかはケースバイケースですので、この記事を参考に貴社に最適な契約形態を選択して下さい。